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仕事帰りに本屋に寄ったら、奈良美智のコーナーがあった。
先週のAERAに載ってた画家。作品は見たことがあったけれど、
「画家」というより「イラストレーター」という感触の絵だった。
実は、2年ほど前には既にNHK『トップランナー』で紹介され、
今は全国をめぐる美術展を開いたりしているほどの人らしい。
大きなアーモンド型の目で、こちらを見上げ睨み付ける独りの子供。
そんな印象的な絵が、彼の代表作。怖いのに懐かしい、目を惹かれる強い絵。
構ってほしいけれど、構われると嫌になったりする。
そんな相反する気持ちが、本当に純化されて表現されている。
「嫌いだから殺しちゃえ」って、残酷な子供。
だけど、行動の後にはまた、こちらを見上げて見据える。苦手。
自分の中にもあるけれど、笑いなどのオブラートで包む事を覚えた感情たち。
そんなものを抱えたままで大きくなって、表現しつづけているのって、
さぞ大変なんじゃないかと思ったら、やはり、意識的にしているらしくて。
人間関係やら物やらへの欲望が出そうになったら、「描く」ための力に変化させる。
「何かを欲しがる気持ちからは目を背けないと、集中力が失われる」と言う。
明らかな才能が失われる事になるのかもしれないけれど、それでも何となく、
信じたくなったら信じてみて、欲しくなったら欲しいと言ってみたらいいのにと思う。
その方が、彼自身は人間として幸せなんじゃないかなと思うのは、余計なお世話?
でも少なくとも、「何かが欠けている事で発揮される才能」の典型かなとは思う。
割りと、ファンなんぞにも愛想よくできる役者さんたちにばかり応対しているせいか、
うっひゃあ芸術家だねえ!と、近寄りがたさを感じてしまうけれど、絵は、何か、好き。
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