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※彩の国さいたま芸術劇場、¥11,000−、B−16 1幕:18:30〜20:15、2幕:20:35〜21:40
リチャード三世:市村正親、アン:久世星佳、バッキンガム公:嵯川哲朗 クラレンス公ジョージ:勝部演之、スタンリー公:辻萬長、 マーガレット:楠ゆう子、ヨーク公爵夫人:中村美代子、 エリザベス:有馬稲子、他
<感想>
これは、市村正親1人の力で、見せられた感じ。 でも最初からそれを期待して行ったので、大満足(*^^*)。 蜷川演出というものには初めて触れたけれど、オープニングで、 バタバタと死体やらゴミ屑やらが落ちてくる演出だけでも、 もう思いっきり辟易して帰りたくなってしまいました。 これで奇をてらったつもり?バカみたい。と感じて。
これ絶対、エンディングもこれで締めるわ・・と思ってたら、 案の定、そのとおりで、馬の色とかだけ変えた演出には、 思わず気が遠くなりそうになりました。でも、 誉められまくってる人だから、きっと好きな人は多いんですね。 私は、アンを口説き落とすシーンで、風を効果的に使った、 などと書いてある記事を読んでいて楽しみにしていたけれど、 何が効果的だったのかも、ちぃっとも分からなかったし、 どうも、相性が悪いらしいことだけは、よく分かりました(^^;
でも、我慢して座っていて良かった!とは、 オープニング、馬が倒れた直後には思えたから良いの(*^^*)
いつ現れたのか、真っ赤な透ける生地のマントを付け、 中央の塔のような柱にもたれかかっている後ろ姿があって。 それが、リチャード3世。第一声だけで、ぞくぞく。 その他のシーンでも、女性陣・・、特にアンなどは、 どうもまだセリフが自分のものになりきれていない印象で、 聴いていて腹だたしくなる部分もあったけれど、 リチャードが現れるだけで、世界が変わって。
市村正親という役者は、時々コミカルな面が強すぎて、 どうにも観ていて辛い舞台もあるけれど、今回は大当たりで、 恐ろしいほどリチャードに似合った魅力を醸し出していました。 1幕の、背にこぶを抱えた醜い姿でありながら何故かキュートで、 権力を手に入れても、どうしようもなく魅力的である姿も、 2幕の、破滅と共に歩んでいく姿も、目を離せない。 もし文句を言うなら、いくらリチャード1人が良ければ観られる芝居でも、 もう少し周りもキャラが立っていると良かったなぁ・・・ってことだけ。 多分、周りの方々も力のある役者さんでしょうに、 「その他大勢の人々」としか感じられず、 市村Worldにハマりこむ邪魔としか思えなかったのが、残念です。
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