毎日が「フォーン・ブース」! - 2003年11月28日(金) 最近、「フォーン・ブース」という映画のCMをよく観る。 率直に言って、「わざわざ映画館に足を運ぶほどの映画じゃなさそうだな」 という印象なのだが、でも、なんとなく気になるんだよなあ。 僕のような電話嫌いが、ああいうシチュエーションに陥ったら大変だろうなあ、なんて。 『われ思ふ ゆえに…』の11月10日「鈍い男」を読んで思ったのだが、僕が電話を嫌う理由のひとつに、「電話を切るタイミングがわからない」というのがある。 もっとつきつめて言えば、「自分から電話を切るのは相手を拒絶しているみたいでイヤだが、さりとて、相手からいきなり切られるとそれはそれで『自分は何か失礼なことでも言っただろうか?』と心配になる」ということなのだ。 そして、相手の不毛な長電話に、「うんうん」と頷きながら、片手で「ダービースタリオン」をやっていたりしたものだ。それでも、なかなか切れないんだよ、電話って。 あるとき、同じように「電話が苦手」だという友人の女性と電話する機会があったのだが、彼女はなかなか電話を切ってくれない。「じゃあ、そろそろ…」とお互いに言いつつも、最後の「切」のボタンが押せないのだ。 そして、いつも「それじゃ、1、2、3、でお互いに切ろう!」とかいうことにして、それでも一度目はお互いに電話を切れなかったりするのだ。 彼女に言わせると、「受話器を切る音が、ギャチャーンと強い調子だったりすると、それだけで考え込んでしまう」らしい。 僕は自分で話すより、他人が話しているのを聞くほうが好きなのだが(というより、自分のことを話すのが苦手なんですよ、ほんとうは)、長電話というのは本当に苦手だ。 しかも、長電話好きな人の話は、「自分の話」がやたら多い。 さらに、電話を切れなくて長電話になってしまったりすると、そんな「愛想のいい自分」に余計に落ちこんだりする。 しかし、こうして考えてみると、お互いになかなか電話を切れずに長電話になってしまった人とはうまくいかず、今みたいに「じゃあ切るね」と言ってアッサリ「切」のボタンを押せてしまうような関係のほうが長続きしているのは、象徴的な気もする。 やっぱり、「自分を出せない関係」というのは、長続きしないものではあるんだろう。 でも、僕はちょっとだけ小町さんとの電話を切れなかった男の子(だと思う)にちょっと同情する。 だって、20歳くらいの男って、そんなに親しくないけど好感を持っている女の子と電話で話す機会があったら(だいたい、電話をかけるということ自体が一大イベントだし、今みたいに、携帯でメモリーから一発、ってわかにはいかないのですし)、今度はいつ話せるかわからないから、切りたくない!って思うのも自然なことかな、なんて。 そういう意味でも、「妻帯者がモテる」というのは、わかる気がする。 だって、気配りっていうのは、余裕がないとなかなかできないからさ。 ...
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