「紙の上の文章」と「ネット上の文章」 - 2003年04月08日(火) ジョイスの「ユリシーズ」という作品を御存知だろうか? 20世紀最高の傑作と名高い文学作品なのだが、実はこの作品、非常に難解かつ冗長で、「日本でこれを最後まで読んだのは、翻訳者だけなんじゃないか?」という冗談すらあるくらいだ。 もちろん、それはあんまりだとは思うのだけれど、この作品名を知っていて、名作だと思っている人は多くても、実際に読んだことがある人は少ないのではないだろうか。噂によると、日本で数百人単位だとか。 ところで、僕はWEBの文章を書くときに気をつけていることがあって、 それは何かというと、なるべく簡潔な表現にして、過剰な装飾を控えることだ。一文の長さも短めに。 もちろん、必要最低限のものは使うけれども。 WEBの文章というのは、見ている人はけっこう慌しく読んでいることが多いし、ディスプレイの横書きというのは、日本人にとっては字面を追っていくのにはけっこう眼が疲れる。 ネットには、プロセスよりも結果を求める人のほうが多いと、僕は考えている。 「紙の文学」と「ディスプレイ上の文学」なんてのは、明確に区別できるものではないけれど、少し性格が違うものではないかなあ、と最近思っている。 まあ、「ネット上のユリシーズ」を目指すのも悪くないんだけどさ。 しかしながら、今の日本では、ネット人口そのものは多くても、一日中ネット環境が整っている人って、現実的には、結構少ないのではないのかなあ。 それに、ディスプレイの文字を読んでいると、なんとなく気が急きませんか? ...
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