蛍桜 |
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月のない夜に |
月は好きだけど、 真っ暗な夜が嫌いなわけじゃない ひとりぼっちは怖いけど、 誰かと一緒にいることが 全く怖くないっていうわけでもない あなたは、まだ、あの日のことを、 後悔、していますか? 肌寒くなってきて それでも薄着をする私の腕に 冷たい風がぶつかる 冬の香りがする 私の大好きな冬の香りなのに すごく、苦しい 私は、後悔なんて、していません 自分の中で区切りをつけなきゃいけないと ずっと考えていた だけど、それを「いつ」行えばよいのか 具体的なことは何も分からなかった あれから、何年経ったのかももう忘れた もしかしたら、昨日のことだったかもしれない、 っていうのは、ちょっと、いや、かなり、無理があるね 区切りをつけなきゃいけないと思っていながら 私はなんとか前に進めた ・・・ような、気がしていた それが本当に前に進んでいるってことなのか分かるのは いったい、いつになるのだろう 区切り、なんてめんどくさいものをつけなくても 時間は流れていくし 私はその時間の上に乗っている 取り残されているんじゃないかって 不安になるときもあるけど 確実に私は年齢を重ねていて そのうちシワだって出来るんだ もし、本当に、区切りってものをつけることができるなら その日から、私は生まれ変われるのだろうか 全てを吹っ切れて 心から笑えて 今まで大切だと思えた人たちを 偽者だったかもしれないけど「友達」と言ってくれた人たちを 幻想だったかもしれないけど「好き」と言ってくれた人たちを 全て全て全て全て 吹っ切ることができるのだろうか いつかまた、一緒に笑えるはずっていう夢を 諦めることができるのだろうか いや、その夢は、 夢ではなく、妄想に近いのだけど 叶うはずがないと分かっていても 夢を見ているだけでいいんだ、っていう 強がりも、弱さも、 捨てることができるのだろうか 私は、誰も嫌いになってはいない だけど、ずっと、怖かったし これからも、ずっと、怖い 私は出来損なえの人間で 醜くて 欠陥ばかり 月のない夜は、 そんな私を、 隠してくれるだろうか |
2011年10月26日(水) |
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