| 蛍桜 |
| ≪BACK | TITLE LIST | NEXT≫ |
| はじめてこの駅に来た日のこと |
|
いつも思うことは 自分がもし、全部投げ捨てて 好きなことばっかりやるとしたら 親に迷惑をかけてしまうってこと だからしたくないってこと 今までの21年間、親はずっと私がいることによって 動ける範囲も、時間も、狭まったはずなのに もし私が引きこもりにでもなって 親が死ぬまで永遠に、養ってもらうとしたら 親の人生が、すごくもったいないと感じてしまう それが子供を産んだ親の責任だとしても 今まで生きてきた21年間で私はこの世の中に嫌気をさしているのに それと同じだけの時間を子供のために我慢してきた親は もっともっと疲れてるんじゃないかなと思う それを、親が死ぬまであと30〜40年繰り返せっていうのは すごくもったいない 私が今、自分の力でお金を稼いで家計を成り立たせているこの生活のせいで 少しずつ、息苦しくなっていても 子供を育てることって、それ以上に息苦しいと思う どんな状況でも、そりゃ楽しいことあるだろうけどさ 私だって、好きな仕事に就けて、嬉しいし、仕事楽しいよ だから親も、子供がいたって、その子供に癒されたりして きっと楽しいと思うよ だけどやっぱり、そこに縛らせておきたくなかったから 手放しで好きなことやれるならずっとやりたい 仕事辞めて生活できるなら辞めるよ 私には仕事を辞めたって、まだ親が養ってくれるっていう安心がある 香川に帰ったって、家があるっていう安心がある だからってそれに甘えて、好きなことやってても楽しくない気がする 親は子育てを放棄できないしお金を投資し続けなきゃいけない でも親は、自分が稼がなきゃ、自分も、子供の私たちも 生きていけないってこと分かってるから、仕事を辞められないし 住む家だって、なくなる可能性があるから安心なんて出来ない 私がこの21年間生きてきただけで苦しかった以上に 生きて、私たちを育てた親はいろいろ我慢していただろうな 私がこの1年弱、足枷がいっぱいはめられて生活するだけで 重いと感じた以上に親は重くて長かっただろうな 世間とか、現実とか、そういうの以前に 好きなことやりたいだとか、自分だけの時間がほしいとか、 そういうこと言う以前に 自分以外の人のことを考えていないと私は動けない 自分の気持ちだけで動くと、それがなくなったとき自分が崩れるから っていう自分のための理由でもあるけどさ もしかしたら親は私を育てることが楽しかったかもしれない だから親を犠牲にした、っていう言い方は違うかもしれない それでも、犠牲にしたような気持ちになってしまう 自分が楽になる前に、楽になってほしいなってなんとなく思ったし 親にすがってるまま、養ってもらってるまま、 好きなこといくらやったって、いくら自分の道歩いたって 胸を張ることなんて出来ないだろうから そんなのただの開き直りになっちゃうから 自分の中で納得できる道がここだったわけだし 行き詰った時に見えた道しるべがここだったわけだから 今立っているこの場所は嫌いじゃない 私は今、自分でお金を稼いで、生活して、辛いときもあるけど 逃げ出したい時もあるけど、そんなの前からだし 好きな人が何人もいて、好きなこともたまにやって なにより、好きな仕事に就けて、好きな猫を飼えていることが幸せで 必死に生きている今が、前よりは少しだけ、胸を張れるかなーって思う きっと、あの頃の私には今の私の価値観を理解してもらえないだろうけど それでも、親に対する考えは、あの頃の私も持っていたから そこだけは分かってくれるはず 私はまだまだ大人になってないけど 綴る言葉は、確実に変わってる 昔の自分を抱いたまま、生きていければいいなと思う でもさ 毎朝、通勤のときに最寄駅まで歩いて行く途中に すっごい急な坂道があって 毎日毎日そこで息切れして、しんどい、ってなって 毎日その坂を登るのが憂鬱だったけど 今日さ 会社に行ってから朝坂道を登ったことを考えるとさ 記憶がなかったんだよね あれ?登ったっけ?ってなった あんなに毎日あの坂道に意識を尖らせて憂鬱になってたのに いつのまにか、あの坂道が私の生活のひとつになっていて 「いつもの毎日」になっていて、足も、思考も、きっと慣れちゃって もう記憶にさえ残らないようになっちゃってた もしかしたら明日は、また何かが「いつも」になっていて 記憶にも残らなくなっているかもしれないって思うと怖くて 当たり前にありすぎる私の中の私や 単純なものごとを見失わないようにしなきゃ、って危機感を覚えた 単純な気持ち、忘れたくないな 冬の朝は寒い、とか でも空気が好き、とか 電車は人が多い、とか 好きだからこの仕事をしている、とか ここにいることを選んだからここにいる、とか 今まで当たり前じゃなかった道を 当たり前に歩いていることへの感動、とか 初めてこの場所に訪れた時の感動、とか 不安とか、希望とか 全部、忘れたくない はじめて、最寄駅に来たときは 全く知らない風景を、好きになれるか不安だったけど 今は好きだよ |
| 2008年10月30日(木) |
| ≪BACK | TITLE LIST | NEXT≫ |
|
My追加 ‖ メール enpitu skin:[e;skn] |
|
Copyright (C) 蛍桜, All rights reserved. |