蛍桜

≪BACK TITLE LIST NEXT≫

おまえ、おっきぃな

いつになったら分かるのか
それさえも分からない僕に
君は生きていれば分かるよ、と言った

あれ、と僕は言葉を一度飲み込み
そして吐き出した

僕、君になにが分からないって言ったっけ?

君は笑いながら歩いていくけど
答えは言ってくれなかった

あぁまた謎が増えてしまった
君の謎
謎...
その謎が君なんだろうね


僕が分からないこと

生きていれば分かるっていわれたこと
それは生き方

君が僕が考えているのことを
どうして分かったのか分からないけれど
僕はこの生き方を
生きていれば分かるといわれて
あぁ、そうなんだ
と納得はできないでいる
君は適当に言ったのだろうか
僕の心を読んだんじゃなかったんだろうか
そんなはずはない、と思いながらも
君の言葉の中には何か深いものが隠れている
そう思ってしまうのは何故だろう

君の言葉には重みがある
僕からしてみれば
君の言葉には意味がある

おっきーなぁ・・・

歩いていく君を見ながら
去っていく君を見ながら
僕はそうつぶやいた

生き方は
生きていれば分かる
生き方が分からないのに
どうして僕は生きているんだろう

どこかで
本能的に
生き方を学んだのだろうか
それとも
誰かから学んだのだろうか


僕はいまだ生き方が分からないでいる
それでも生きている

君が言うように
生きていれば分かる、ことなのかもしれない

だけどそれだけじゃあ
今の僕にはものたりたくて
何か手に取れるようなほかの答えはないかと
探してみたけれどなかった
僕が立ち止まっていると君が振り向いて

おまえ、おっきぃなー

って言う
あれ?なんか違うよ
と言いたかったけど
なんとなく嬉しかったから言わなかった
僕はおっきくなかったけど
嬉しかったからそれでよかった

そうかぁ
理由なんて別にいらないのかなぁ
なんて思えるようになった



でも
どうして僕はおっきいのかなぁ・・・




2002年07月18日(木)

≪BACK TITLE LIST NEXT≫

 

My追加メール

My追加
enpitu skin:[e;skn]

 

Copyright (C) 蛍桜, All rights reserved.