| 2002年07月18日(木) |
神奈川県ユースチャンピオンシップ決勝 川崎フロンターレU-18−桐光学園高 （三ッ沢陸上） |
本日の観戦記はfutotamaさんの「Frontale臥薪嘗胆」に投稿させていただいたものです。
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若武者達よ、惜しかった。今日の悔しさは日本ユース選手権で晴らしてくれ！！
第三回神奈川県ユースチャンピオンシップ 決勝
川崎フロンターレU-18 vs 桐光学園高校
7/13（土）の甲府戦のハーフタイムで、ささやかな壮行会が行われた川崎フロンターレU-18。 日本ユース選手権の開幕を10日後に控えた7/18（木）、第三回神奈川県ユースチャンピオンシップの決勝が行われた。
観戦記の前に、ここでクラブユースの大会や勢力について少し説明をしておこうと思う。
ユース年代のクラブチームの大会は、主に「日本クラブユース選手権」、「高円宮杯全日本ユース選手権」、「Jユースカップ」の三つがある。
1.日本クラブユース選手権（U-18）
7月下旬〜8月初旬にJヴィレッジ（福島県）で行われる。県予選を勝ち抜いた後、9地域予選（北海道、東北、北信越、関東、東海、関西、中国、四国、九州）を勝ち抜いた24チームが出場。グループリーグ+決勝トーナメントの方式。
2.高円宮杯全日本ユース選手権（U-18）
8月下旬〜9月上旬に行われる。クラブチームと高校のチームが戦う唯一の公式大会。クラブチームは日本クラブユース選手権の上位5チーム、高校チームは9地域の代表が1校ずつと、前年度優勝地域、前年度選手権優勝地域から各1校の合計12チーム、合計16チームで行われる。（前年度の優勝チームがクラブチームの場合は日本クラブユース選手権の上位6チームが出場する。）
トーナメント方式で、1,2回戦は地方で行われるが、準決勝・決勝は関東で行われる。なお、昨年の決勝は高円宮ご夫妻も観戦された。
3.Jユースカップ
9月〜12月にかけて行われる。まずJリーグのユースチームがグループリーグを行い、上位12チームと日本クラブユース連盟所属のクラブチーム（Jチームのユースを除く）で地域予選を勝ち抜いた4チームの計16チームで決勝トーナメントを行う。決勝は関西で行われる天皇杯準決勝の前座試合となる。（つまり昨年は「あの」川崎−清水戦の前に行われた。）昨年川崎フロンターレは、グループリーグで強豪市原、清水と同組となり、決勝T進出はならなかった。
今年の日本クラブユース選手権に出場する24チームのうち、20チームをJリーグのユースが占めていることからも分かるように、昨今のJユースチームのレベルアップは目ざましい｡
鹿島、横浜FM、G大阪、清水、市原、広島といったすでにトップチームへの選手の昇格で実績があるチームの他、最近ではFC東京や京都なども力を上げており、戦国時代の様相を呈している。特にFC東京は、昨年は日本クラブユースを制し、高円宮杯も準優勝だった。
フロンターレのユースも徐々に力をつけてきてはいたものの、実績の面でFC東京にちょっと水を開けられたかなと思っていた矢先、今年ついに9枠ある関東地域予選で6位になり、日本クラブユース選手権に初出場を決めたのだった。
で、神奈川県ユースチャンピオンシップである。高校総体（インターハイ）神奈川県予選の上位2校と、日本クラブユース選手権関東大会での神奈川県上位2チームが出場してトーナメントで行われ、優勝チームは天皇杯神奈川県予選に出場することが出来る。まだ三回目と非常にマイナーな大会だが、国内でも強豪に数えられるチームの多い神奈川の高校チームと公式試合が出来る事は、若い選手達にとっても大きな意味があることと思う。
会社を18時に出たが、思ったよりも横浜に出るのに時間がかかり、会場の三ツ沢陸上競技場に到着したのは、前半20分過ぎだった。幸い懸念されていた雨もまだ降っていない。
それにしても、小杉の自宅から都内（品川区）の職場に通っていながら、平日の夜に横浜くんだりまで出てくるなんてご苦労だなと我ながら思う。しかも昼休みに昨日行われた1回戦（対武相高校）の結果を調べたのだが、どのサイトにも載っていなかったため、結局知らずに会場へ向かっていたのだった。昨日負けたのなら17時からの三位決定戦に回っているはずである。
果たして、会場に入ると（あっ、そうそう入場無料です）白い川崎のアウェイユニが目に入った。昨日負けていたら、横浜FMユースでも見るつもりではいたのだが、応援しているチームが勝ち上がってくれるとやはりうれしい。しかも、予想に反して桐光学園が横浜ユースを下して勝ちあがっているではないか。というわけで、いみじくも川崎対決となったのだった。
フロンターレサポらしいグループのすぐ前に腰を下ろす。（後の話の内容から、株式会社川崎フロンターレご一行様だったらしいと推測された。）さすがに、他にはサポーターらしき姿は無く、ほとんどが桐光学園の関係者らしかった。
今年のフロンターレユースを見るのは初めてだ。システムは4-5-1とワントップ。（多分）ダブルボランチだ。
それにしても、さすが高校生。若い彼らは昨日試合をやったばかりのそぶりも見せずに走る、走る。高い位置からプレッシャーをかけていくので、中盤にスペースが生まれず、潰し合いとなる。その結果ボールの奪い合いとなり、なかなか前線までボールは出てこない。
桐光がペナルティエリア近くからFKを二本放った他は、両チームともほとんどシュートらしいシュートのないまま前半（40分ハーフ）が終了した。
それでも、わざわざ来て良かったと思った。前半のわずかな時間でも、選手たちの気迫や勝ちたい気持ちが、今の等々力ではほとんど感じることが出来ないものが伝わって来たからだ。（それにしても、二列目がトップを追い越してゆくフロンターレのユニフォームは久々に見た気がした）
ハーフタイム、サッカー協会関係者とおぼしき二人が両手に白い印刷物の束を抱えて現れた。と、同時に会場アナウンスが入る。
「ただ今から、大会パンフレットの配布（！！）を致しますのでご希望の方は係員に声をかけてください。」
ありがとう、神奈川県サッカー協会。余談だが、サッカー協会のサイトの中でも神奈川県協会のサイトは情報量や更新の早さなどで一番だと思う。
後半が始まった。しかし前半と同じような展開が続く。10分経過してようやく後半一本目のシュートを桐光が放った。ここで、フロンターレベンチが動く。中盤を四人にしてツートップにしてきた。
しかし、徐々にペースを握ったのは桐光。フロンターレの右サイドを崩し、決定的なシーンを数回作る。が、フロンターレはGK引地とDF陣を中心に何とか守る。
そういえば、高校サッカーってフィジカルで勝負する印象が強かった（特に国見高校）けれど、桐光は結構テクニックもあって、パスを回すし、クラブチームっぽい感じがする。プログラムを見ると、なるほど中学時代にクラブチームに所属していた選手がほとんどだった。
フロンターレも、アーリークロスを何本か放つのだが、精度が今ひとつでなかなか得点の気配が無い｡
28,9分頃だったか、ロングフィードに桐光のFWが頭で流し、そう丁度W杯のドイツ-アイルランド戦でのクインのアシストの様に、絶妙のタイミングで二列目から出てきた選手にボールが渡った。
「ああっつ！！」（含む、後ろの席の�蠕邵螢侫蹈鵐拭璽豸羂豺塒諭�
一応DFはついていたが、シュートを打たれる。が、「決まった」と思ったその瞬間、GK引地がまるでカーン様が乗り移られたかのようなスーパーセーブを見せた。
「いいぞ、新吉！あっ、それは菊地か？」（by �蠕邵螢侫蹈鵐拭璽豸羂豺塒佑慮羂貶�）
その直後、フロンターレも左サイドを突破し、クロスを上げる。
「ああっ、少し長いか」と思われたが、逆サイドにもう一人上がっていて、折り返す。落下点にフロンターレのユニフォームが！！
「行った！！」（含む、�蠕邵螢侫蹈鵐拭璽豸羂豺塒諭�
しかし、トラップが流れる。
残り10分を切った。大会規定により、延長戦は無くPK戦で決着がつけられる。
しかし、フロンターレは攻めた。このころ、競ったボールがことごとくフロンターレサイドに渡りチャンスが生まれる。ツキがめぐって来ていることを感じるが、なかなかフィニッシュまで持ち込めず、ついにスコアレスのままタイムアップ。
PK戦が始まるまでの間、メインスタンド前では表彰式の準備が始まった。小ぶりな優勝カップが見える。
「もし、勝てば株式会社川崎フロンターレ初のタイトルですね。社長！」（By �蠕邵螢侫蹈鵐拭璽豸羂豺塒諭砲箸い�声が聞こえる。
私も、何としても彼らに優勝を味わわせてやりたいと思った。
フロンターレの先攻でPK戦が始まった。共に一人目が決める。桐光の二人目のキックはポストに当たったが、ゴールイン。そしてフロンターレの三人目、相手GKは逆に飛びながらも足でボールを弾き出した。
盛り上がる桐光関係者、ため息の漏れる�蠕邵螢侫蹈鵐拭璽豸羂豺塒諭�
しかし、まだ二人づつ残っている。最後まであきらめる訳にはいかない。
相手GKにコースを読まれては冷や冷やだったが、フロンターレは四人目、五人目と決めた。
桐光の四人目の時、GK引地はボールを弾いたが、非情にもゴールマウスに吸い込まれていった。そして桐光の五人目がきっちりと決め、勝負は決した。
今日の試合を観て、トラップやクロスの精度にまだまだ課題があるとは思ったが、期待していた通りのファイトを見せてくれた選手達に感謝したいと思う。9番木村のポストプレーもなかなかいいんじゃないかな。
そして、日本クラブユース選手権では是非グループリーグを突破して（組み分けを見る限りではチャンスは十分あると思う）、出来れば5位に入って高円宮杯に出場して欲しい。
ユース年代に興味を持ち始めたころ、（その頃は主に清水ユースを見ていたのだけれど）あるサイトで「今の清水ユースを見ることは、未来のエスパルスを見ることです。」という書き込みを読んだ単純な私はとても感銘し、それからますます熱心にユースの試合を観るようになった。
今年初めてトップチームへ選手を昇格させたフロンターレユースも、今後もコンスタントに選手を供給し、いつかはその中から、代表に呼ばれるような選手が出てきてくれる日が来ることを願ってやまない。
最後に、一言。
「今のフロンターレユースを見ることは、未来のフロンターレを見ることです。」
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