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2002年07月29日(月) 第8回『愛媛県の人工透析医療を考える会』

7/27松山赤十字病院で、第8回『愛媛県の人工透析医療を考える会』。主催は日赤の原田先生である。

今回のテーマは二次性副甲状腺機能亢進症に対する治療の概要である。
まずPのコントロール、次にビタミンD内服もしくは経口パルス、そしてオキサロールの投与(これは週1では効果ないが週2なら効果あるとのこと・今後投与量を減量してゆく際のひとつのメルクマールとなるのだろう)、そして直接注入療法、また手術(これは特別講演をされた済生会八幡総合病院の安永先生が詳しく述べられた)。

当院からは、『二次性副甲状腺機能亢進症におけるマキサカルシトール直接注入法の当院での治療成績』という演題で発表をする。
当院でのオキサロール直接注入の成績は今ひとつで、その結果から推論されるのは、結局P-MITは量を増やして回数を多く入れた方がいいようだという結論になった。
それで当院でも、腫大副甲状腺体積の80%にオキサロールを3回注入していたのを、先日からは体積の100%に対してロカルトロールを6回入れるという方法に変更しており、これが成果を上げてくれるといいのだという流れになった。

また新しい話題として、Pの吸着剤としてはCa上昇作用のほとんどないリナジェル(?)というのが来年あたりにキリンと中外から出るらしく、この薬は期待できるようだ。
やはり、P/Caの両方を適正範囲におさめることも重要ではあるし、Ca*P積を55以下にすることが異所性石灰化を抑制する意味では重要でしょう。

また新しいVitD誘導体製剤であるホーネルについての発表もあった。ホーネルは(当院でも使用中)は0.3=1capがアルファロール0.75程度に相当するということらしい。

とにかく二次性副甲状腺機能亢進症による骨破壊、貧血の進行、掻痒感・イライラ感とかいうものは、何年もかけて出てくる透析の長期合併症であり、常日頃のメインテナンスが重要である。


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