蜜白玉のひとりごと
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同じくらいの年齢の人が場を得て活躍しているのを見ると、彼(彼女)らは才能や環境や出会いに恵まれているなあ、なんてうらやましく思って軽く落ちこむことがある。落ちこむことじゃないかもしれないけど、気持ちが沈んでいくのを止めるのは難しい。もう勝手にひんやりした風が背中をすっと吹き抜けるみたいに、どうしようもなくさみしい。
ずっと年上の人だと思っていたら自分と同い年だったとわかり驚くことがある。その場所までどうやってたどり着いたのか。想像できなさ過ぎて、出るのは平凡な相づちか乾いた笑いくらい。
最近なんて、朝マンションの廊下で2歳くらいの子どもを連れたお母さんとすれ違うだけで沈む。もちろん笑顔を表面に貼りつけてあいさつはする。
私にも手ごたえがほしい。ガツンとした、手ごたえ。まだ見つからないのか、どこかで落としてきたのか。自分でつかんで引きよせるときの力みたいなものを感じたい。
10分後。わかった。好きなものは好きなまま、それが好きだということを絶対に忘れないように。そのあとはまた、別の話。
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