蜜白玉のひとりごと
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| 2007年04月15日(日) |
まともな読書/『最後の瞬間のすごく大きな変化』 |
ひさしぶりのまともな読書。グレイス・ペイリー著/村上春樹訳『最後の瞬間のすごく大きな変化』読了。ずいぶん前(たぶん1年以上前)に読もうと思って手に取ったもののどうも取っ付きにくく、ただ字面を追っているだけだったので諦めてそのまま放っておいたのを再び読んでみる。今度は突っかかることなく文章がすいすい頭に入ってくる。前と今とで何が違うのか、さっぱりわからないけれど、こういうことは他にもあった。ミラン・クンデラの『存在の耐えられない軽さ』を読んだときも、こんなふうだった。会うのが少し早かった、ということだろうか。
グレイス・ペイリーは1922年ニューヨーク生まれ、1954年に初の短編集『人生のちょっとした煩い』を発表、74年に『最後の瞬間のすごく大きな変化』、85年に"Later the Same Day"を発表する。今までにこの3作だけだそうだ。それでも十数年に一度、新しい作品が出るたび、人々はこぞってこの作家の作品を読むらしい。
話はまあまあおもしろかった。まあまあ、と歯切れが悪いのは、読んでいてときどき、今誰がしゃべっているのか、何についてしゃべっているのか、どこにいるのか、わからなくなることがあったからで、それはこの人の作品の特徴でもあるようなのだけれど、初心者の私には難しかった。
次は『人生のちょっとした煩い』(2005年訳)を読もう。
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