蜜白玉のひとりごと
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ふと見上げれば空はすっかり秋模様。ごく薄い青色の空のかなたに、さっと刷毛で掃いたような雲がある。日が沈めば心なしか吹く風も涼しい。やっとやっと、夏が過ぎていく。残暑は油断ならないけれど、今年は昨年ほど暑さに苦しめられずにすんだようだ。
日ざしの強い昼間、いやいや鳴いているようにも聞こえるセミの声は相変わらず、あぶらゼミとみんみんゼミばかり。それでも夜、エアコンをつけずに窓を開けて風を通してみると、文字通り猫のひたいの庭からは、リ・リ・リ・リ、と虫の音がする。まだまだ暑いけれど、やっぱり秋はすぐ近くにいる。秋が近づくとうれしい。
帰るよ、と電話してきた相方に、もう秋の空だねと言ったら、詩人だねえ、と返される。え?だってほら、高くて薄い水色でさあ、と説明すると、そうだね、小学校の運動会の練習のときによく見た空だ、と言う。そっちの方が詩人ではないか。
晩ごはんは、さんまの塩焼き。
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