蜜白玉のひとりごと
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朝七時半起床。休みなので目覚ましはかけないでおく。朝ごはんにスイカを食べる。食べていると横でマロが、ちょうだいちょうだいとうるさい。本当は少しくらい分けてやってもいいのだけれど、やったらやったでお腹をこわすので、ここは心を鬼にして一口もやらない。
昼前、みんな出かける。私とマロは家に残る。居間のエアコンを切って、大きく窓を開け、窓際には蚊取り線香をつける。少しくらい暑くても、そとの風の方が気持ちいい。暑がりの父がいると、こんなことはできない。
近藤喜文さんの画文集をとり出してきて、窓枠によりかかって一ページ一ページゆっくり見る。近藤さんは、『耳をすませば』の監督をつとめた方で、スタジオジブリの作品のほか、過去に「ルパン三世」「ど根性ガエル」「赤毛のアン」などの原画を担当してきたアニメーター。知らず知らずのうちに、私たちは彼の絵を目にして育ってきているはずだ。98年、47歳の若さでお亡くなりになった。そのすぐ後に発売されたこの画文集を、私はときどき思い出しては眺めている。子どもを中心としたスケッチが多い。その様子は昭和40年代か50年代のように柔らかく温かく見えるけれど、実は1990年代の東京・吉祥寺、東小金井周辺のものなのだ。見る人が見れば、私たちの生活はこういう風に見えるのだ。そう思うと、なぜか「諦めるのはまだ早い」という気持ちが湧きあがってくる。受け入れる、肯定するということ。心を研ぎ澄ませてものを見るということ。見守るということ。
夕方、庭の花に水をやっていると、ベンジャミンが道路を渡ってとことこやってくる。庭の濡れていないところを探して、ごろんと大の字に寝る。これっぽっちの警戒心もない。野良猫がそれでいいのか。
*** おやつ→宇治金時
毎日のごはんはあまり変わりばえしないので書くのをやめる。これからは、おやつを食べたときだけ書くことにする。甘いものの食べ過ぎに注意。
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