Deckard's Movie Diary
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2008年09月18日(木) |
おくりびと パコと魔法の絵本 |
『おくりびと』 う〜ん、題材が全てなのかな・・・それなりに心に響くモノはありましたが・・・。途中からストーリーが読めてしまうのですが、読めても面白い作品は多々あります。でも、この作品はそうはなりませんでした。そこがちょっと辛いとこですね。ストーリーの進み方が饒舌すぎるんですね。観る者の想像を越えないし、語り過ぎる気がしました。例えば、主人公が初めて納棺の儀に立ち会った時、その時の感情をナレーションで告白させるんですが、必要ないと思います。それに「汚らわしい!」は無いでしょ。そんな相手は願い下げですよ!“死”を扱っているわりには軽い印象が残るのもそのせいじゃないでしょうか?「触らないで!止めて!」だけじゃダメなんですかね?どうも良く分かりません。どうせなら去り行く命と生まれてくる命をもっと対比させた方が良かったような気もします。それでも、老い先短いオイラは納棺の儀を行われているシーンでは自然と涙がこぼれて困りました(苦笑)。山崎努、余貴美子(美味しい役柄)が手堅い中で主人公を演じる主演・本木雅弘の所作は美しいですが、その他はまだまだですね。広末涼子に至ってはかなり辛いモノがありました。それにしても、本当にこの程度の映画で満足しているんですかね?疑問だなぁ・・・まぁ、観て損は無いかもしれませんが、もっと良くなった気がするだけに残念です。
『パコと魔法の絵本』 想像していたより断然面白かったです!予告編から微妙にヤバい雰囲気が漂っていたので、半信半疑でしたが、パワーで押し切られた感じですね。ストーリーに目新しさはありませんが、主要登場人物の全てにキチンとバックボーンが作られており、どんなキャラクターもないがしろにはしない脚本には好感が持てます。実写からCGへの受け渡しもスムーズですし、メイクや撮影も含め、技術的にも申し分ないです。例によってギラギラの映像ですが、ここまで徹底されると、ある種のドラッグ感覚が味わえます(ホントかよ!)。ファンタジー作品はどーでにでも出来るので、いかに観客を引きつけておけるかが分かれ道なんですが、登場人物の造形キャラを強くして、ストーリーや性格を単純にしたことが大成功した要因の一つだと思います。泣けるとは思いませんでしたが、映画のマジックを思う存分に味わえます。まさに、飛び出る絵本のような作品!難を言えば、ワガママジジイの大貫の心情変化のシーンがちょっと弱く感じましたね。ここの描き方に一工夫あれば!と思ってしまいました。まぁ、例によって長いですけどね(苦笑)。
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