久しぶりに、作品を全部集めてみたい小説家に出会いました。
玩具修理者
nocaster(完全”非”活字中毒患者)が、「『アルファオメガ』って作品知ってる?」と訊ねてきて。
ΑΩ(アルファ・オメガ)―超空想科学怪奇譚
知らんと答えると、どこからかで設定だけを聞きかじってきたらしく。 まあ、当初の興味は、設定が某ツブラヤ関係に似ていたからというだけなんですが(笑) 「で、なんだか○本S○大賞(候補)とか角○ホラー短編大賞とか、なんだか引き合いに出される賞がすごいんで、あんたなら知ってるんじゃないかと」 いや、マジでnocasterという奴は、本を読まないんですよ。 だからって私が読書家というのは買い被りで、自分は興味のある本と新聞とチラシが目に入ると読まずにはおれないという中途半端な奴なのです。 「……すまんが、ホラー関係はあまり読まんのだよ。日○SFも、自分にはちょっと気後れしてしまうところがあったりしてね」 「ふーん。まあ、ちょっと興味があったら読んでみたらって話なんだけど」 「うーん……(ちょっとためらい)」 「でさ。『クトゥルフ神話』って、何? アフリカか何かだっけ?」
唖然。
ブックスロープ.Eの基本設定担当者なら、それぐらいは知っておけよッ!
いや、いいけどね。私が奴に期待してるのは俯瞰とか鳥瞰とか、そういう全体のバランスなんで。
かいつまんでラヴクラフト関係を説明すると 「なるほど。……いやね、その人の『玩具修理者』って作品にクトゥルフ神話が出てくるって聞いたからさ」 「へー(『某エロゲ関係やらF橋氏関連のおかげで、クトゥルフ流行は自分の周り限定のブームだと思っていたけど違うのか?』の声)」 「とりあえず、自分は『アルファオメガ』を読んでみたいなって電話でした」 「了解」
でもですよ。 日頃本を読まない奴が読んでみたい本となると、気になるじゃないですか。 思わず本屋で探しちゃったんですよ。 迷った挙句、第一作品集という事で『玩具修理者』を買ったんですが。
ヤバイ。マジでヤバイ。 久しぶりにホラー小説の怖さを感じた。
特に『酔歩する男』、かなりキテました。 きっかけになる狂気もともかく、設定やらなにやら。ネーミングセンスも紙一重というか、ヒロインの変わりすぎてる名前やらも、あの変に淀んだ空気に一役かってるというか。物理学には有名な悪魔が二名ほど居たりしますが(マクスウェルとかラプラスとか)、ココに出てくる人物達も、いわばその悪魔の仲間と化した存在なのかなと妄想したり。 とにかく絶望的な未来というか生死のきっかけが些細な所にあるんだぞという感じの、オールドSFの怖さを彷彿とさせられるというか(あとがきでブラッドベリの名前を見た時、膝を叩きたくなった)
ちなみに自分は、リングは全く怖くなかった人間です。あの作品の一大ブームは、今でもよくわからん。
まあ、とにかくF橋氏の処女作を読んだ時以来の衝撃でしたね。 「おおお、ここに力ある人がいる!」って感じの。 「こういう人が売れないといけない!」とか。 「全部読みてぇッッッ!」とか。
ちなみにnocasterは軽く誤解してますが。
自分、血みどろとかスプラッタとか狂気とかが好きなわけじゃありませんから! マジでッ!
そういうものを上手く描写できる作者に実力を感じるだけだと思います(自己分析) だからホラー映画はプレデターもエイリアンも苦手だし(ギーガーは少しだけ好きだけど)
そんなんで、早速nocasterに電話。 「なんでしょう?」というnocaster(試験&レポートで徹夜続き)に
「『いつか必ずアルファオメガを読む会』を発足したいと思います」
「……はあ?」 「面白かったんで、この人の作品を全部読みたいと思いますが、君も読みませんか?」 「読むって最初からいってるだろ」 「君も一緒に、全作品読まないか! 後○園で僕も君も自分と握手!」 「……」 「……」 「……あんたの中で変なスイッチが入ってるらしいから、勝手にしてくれ……」
すんませんね、変なスイッチ、入りっぱなしで壊れちゃったっぽいんですけど(笑)
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