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75 救急車が通ったら

昔から「霊柩車が通ったら親指を隠せ」という迷信がある。日本人特有の迷信で、たぶん誰もが知っていると思う。実際にやっている人はどれだけいるだろうか?
ただ、霊柩車と遭遇することはそう山ほどあるわけではない。もし1日に何台もの霊柩車とすれ違ってしまったら、その日は悪いことが起る、と思う人がいるかもしれない。そのくらい霊柩車と遭遇することはしょっちゅうあることじゃないということだ。
けど、俺の場合困ったことに、「霊柩車と救急車が通ったら指は全て隠せ」という迷信が勝手に作られ、信じ込んでいた。誰かに嘘を吹き込まれたのか、自分で勝手に勘違いをしたのか。これは困る。救急車なんてしょっちゅう通る。外をバイクで走っていたり、車を運転していたり、歩いていたり、店の中なんかにいたりしても、音が聞こえるから気づかなくてもいいものを気づかざるを得ない。そのたび俺は指を全部隠そうと頑張った。親指はお父さん、人差し指はお母さん、小指は恋人・・・他の指もなんかあった。でもある時、これは厳しいだろ!って結論に達し、とりあえず形だけでも手をグーにしよう、それで自分を許そう、ということで自分の中で決めた。それはここ数年のことで、本当の迷信を知ったのは、つい最近だった。救急車とは関係ないし、親指だけでオッケーだ、と。
でも俺は意地を張り、もしくは癖で、今でも救急車が通ると手をグーにしている。
2003年07月31日(木)

VOICE / マッキー

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