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25 「親友」という言葉

「親友」という言葉を使うことを俺は好まない。親友というのを口に出すのが恥ずかしいとか、そういうことでは全くなくて。親友と思うことは否定するわけでないし、いいと思う。ただそう口に出してしまうと、なんか恩着せがましく感じられるし、その言葉がなくてはやっていけない脆さが感じられて、俺は嫌なのだ。そしてこの言葉を使うことで友達を紹介しようとする人にも、その点に関してはうんざりしてしまう。
友達の仲の良さには差があるだろう。人類皆兄弟なんて今更言う人いないだろうし、誰とだって仲良くできるわけじゃない。それに仲良くなるにしたって、仲良くなり方がある。心の中で、「この人といるよりはこの人といる方が楽しい」といったことも当然ある。まぁ綺麗ごとはやめようじゃないか。
でも、親友という言葉を誰かに使うことで、何かしら差を感じさせるリアリティがあって、俺は悲しくなる。たぶんそれは出会っては別れていく人間関係の中で、親友ということをお互いに言葉に出して、認識しあって、他の人にも言葉に出して、認識してもらって、お互いの人間関係を表す矢印に、切れないようにテープでぐるぐる巻きにするような、そんな作業なんだと思う。それはその相手のことが大好きで、これからも大切にしたいと思う気持ちがあればこそで、その点に関して言えばいいことなんだけど、そんな別れを恐怖する思いを感じさせないような関係になれれば、親友なんて言葉は使わなくてよくなる。
親友という言葉をよく使う人からすれば、そんなことを思って使っているわけじゃないよ!って思う人もいるかもしれない。そうかもしれない。考え方次第だから、答えはないし、いけないことではない。
2003年05月25日(日)

VOICE / マッキー

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