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2003年06月12日(木) Mr.ディーズ

1929年6月12日、アンネ・フランクが生まれました。
彼女の「アンネの日記」に因み、
6月12日は日記の日だそうです。

そんなわけで、日記が1つの鍵となる作品を。

Mr.ディーズ Mr.Deeds
2002年アメリカ スティーヴン・ブリル監督

『リトル・ニッキー』など)

1936年の映画『オペラ・ハット』のリメイクです。
どんな作品も、公開前からゴールデン・ラズベリー賞候補
……といっても過言ではないくらいの常連、
アダム・サンドラーが製作総指揮と主演ということで、
オリジナル版の評判の高さ、質のよさが
吉と出るか凶と出るかといったところでしたが、
びっくりするくらい忠実なリメイクになっていながらも、
「落とし方」や登場人物の設定は、いかにもサンドラーチックで、
それが受け入れられるかどうか、
一にかかって、ここんところがポイントです。

小さなラジオ局から成り上がり、大事業家兼冒険野郎となった
(う〜ん、どうしたって
この人を連想する設定だ…)
プレストン・ブレイクが、突如雪山で死亡したことから、
400億ドルは下らない遺産の行方をめぐって、騒然となります。
調査の結果、ニューハンプシャーの田舎町に住む
ロングフェロー・ディーズ(アダム・サンドラー)という
唯一の遠縁がいたことが判明。
ピザ屋を経営しながら、
自作の詩がギフトカードに採用されることを夢見る、
町中の人間に好かれる好人物です。
会ったこともない親戚の死に胸を痛めながら、
莫大な遺産の方には余り興味を示しません。

書類にサインをするために、
迎えにきたセダー(ピーター・ギャラガー)たちに連れられ、
ニューヨークへと赴いたディーズは、
退屈極まりないしばしの大富豪暮らしの中、
ミス・ドーソン(ウィノーナ・ライダー)なる
学校勤めの看護婦がひったくりに遭うのを助け、
優しく魅力的な彼女とデートする仲になりますが、
実はドーソンの正体は、
野心的なTVレポーター、ベイブ・ベネットでした。
大遺産の相続人ということで、
マスコミの格好のえじきとなったディーズは、
ベネットの“密着”取材のおかげで、
たまたまうまが合ったテニス選手ジョン・マッケンロー(自身役)
ツルんで羽目を外したり、
火事現場から猫と女性を助けたことすら
悪意でねじ曲げて報道されるのでした。

そんな心ないことをしながらも、
徐々にディーズの人柄に惹かれていくベネットは、
彼に事実をすべて打ち明けようとしますが、
同じように彼女を愛したディーズがプロポーズしようとしたその日、
正体を暴露されてしまいました。

その後、相続を放棄し、
失意のまま田舎に帰ったディーズを追って、
体を張って愛を打ち明けようとするベネットでしたが、
「君が誰なのかも知らない」とディーズに拒絶されます。

が、自分が相続を放棄したことで、
企業グループ内で大々的なリストラが行われることを知ったディーズは、
再びニューヨークに戻り、計画をとめようとするのでした。
またベネットも、独自の調査によって援護射撃をし……。

オリジナルよりもむしろ「いいなあ」と思った箇所は、
ディーズが、ブレイクの残した日記を読むことで、
一度も会ったことのない大伯父に親近感を持つというくだりでした。
またこの日記は、後々非常に重要な働きをするので、
ぜひとも御注目を。

DVDの日本語吹替えとして、大阪弁バージョンも収録されていますが、
ディーズを担当したのは、漫才コンビ“中川家”の弟・礼二さんです。
なかなか歯切れのよいしゃべくりで聞きやすく、好演していました。
一方、兄・剛さんはというと、例のおどおど口調で、
ブレイク家の執事エミリオ・ロペス(ジョン・タートゥーロ)を
担当していました。
そつなくこなしている礼二さんに比べ、危なっかしい感じではありますが、
その役どころや、タートゥーロのルックスには合っていたと思います。
ちなみに、大阪弁で話していたのはこの2人だけで、
ほかは標準(語)バージョンと同じのようです。

アダム・サンドラー映画の常連、
スティーブ・ブシェミアレン・コヴァート
ロブ・シュナイダー(役名クレジットなし)らの出演も、
映画に妙な安定感を与えている……気がしたのは、
私が単にサンドラーびいきだからでしょうか。


ユリノキマリ |MAILHomePage