Dailymovie
DiaryINDEXpastwill


2002年10月16日(水) ドリーム・ゴール

ドリーム・ゴール When Saterday Comes
1995年イギリス マリア・ギース監督


適当な邦題つけられてしまったが故に、
ほかのいろんなサッカー関連映画の中に埋没してしまいそうな、
どうしてどうしての拾い物でした。

舞台はイギリスはヨークシャー、シェフィールド。
ジミー・ミュア(成人後の役をショーン・ビーン)は、
学校を卒業するに当たり、
「工場か炭坑か」の進路選択を迫られますが、
彼は本当はフットボール選手になるのが夢でした。
才能はありながら、チャンスには恵まれない…
そういう、よくいるタイプの少年です。

結局はビール工場に就職して、遅刻が多いと注意されながらも、
工場仲間との気楽なつき合いをしながら勤続10年、
仕事の合間にはアマチュアチームでプレイを続けます。
ちなみに、彼の家族は、ギャンブル狂いのバカ親父、
その親父と同じ炭坑で働く気のいい弟ラス、
亭主のおかげでお金の苦労が絶えないけなげな母サラ、
男に失望しきっている姉マリー……です。
そうそう、マリーを演じたメラニー・ヒルは、
当時のS.ビーンの奥様だったようですね(97年に離婚)

そんな彼の生活を変えたのは、
新任の事務員アニー(エミリー・ロイド)との恋でした。
彼女のおじでもあるセミプロチームの監督ケン
ピート・ポスルスウェイト)の目にとまり、
1試合12ポンドでうちに来ないかと声をかけられます。

その後ケンから、地元シェフィールド・ユナイテッドの
テストを受けてみないかと勧められます。
「スタンドプレーが目立つが動きはいい」と言われるなど、
なかなか覚えめでたく、長年の夢だったプロになれるか?と思いきや、
彼には、「酒にだらしない」という、唯一にして最大の欠点があり…

小ネタを書き出すときりがないくらい、
(つまり、やや散漫な感じは否めないですが)
特にイギリス映画好きにはたまらない
「つっこみどころ」があるかと思います。
1つ1つにはさほど重きを置いていないのですが、
アニーがアイルランド系(で、カトリック)だったり、
ラスがフットボールの古いプログラムをコレクションしていたり、
それぞれが、ちょっとした伏線になっていたり、
設定上、かなりバカにできない部分だったりして、
短いながらも楽しめました。
酒で大きなチャンスをふいにした彼が一念発起する裏には、
悲しいきっかけがあったりと、ドラマ性も十分ですし、
途中『ロッキー』シリーズか!と思うような描写があるのも御愛嬌。

日本未公開作品だそうですが、
レンタルビデオで見つかるかと思います。
DVDは残念ながら出ていないようですが、
ワールドカップ熱に便乗してリリース…ってことにならなかったのは、
もう1つの“主役”がシェフィールド・ユナイテッド、
つまりはデヴィッド・ベッカムでおなじみの
マンチェスターUのライバルだからでしょうか。
(多分、全く関係ないと思いますけど)

ちなみに、この映画についてのフォローを頼むべく、
ネット徘徊して調べたのですが……
御存じの方は御存じだと思いますが、
原題“When Saturday Comes”というのは、イングランドの有名な
フットボール・ファンジン(同人誌)の名前だそうですね。
なるほど、なるほど。


ユリノキマリ |MAILHomePage