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1929年7月24日、ベテラン監督ピーター・イエーツが生まれました。
ドレッサー The Dresser 1983年イギリス ピーター・イエーツ監督
“サー”の称号を持ち、態度のデカい大御所シェイクスピア俳優と、 彼に自分の持てる信愛のすべてを捧げているような 付き人(ドレッサー)ノーマンの、おかしくも悲しいお話です。
シェイクスピア俳優“サー”をアルバート・フィニー、 ノーマンをトム・コートニーが、(ちょっとおネエっぽく)演じ、 2人そろって1983年度のアカデミー賞主演男優部門に ノミネートされました。
ちょっとピンぼけ、な個人的な感想を書かせてもらえるのなら、 「尊敬とか信頼とかは、 自分の知らないトコでしてもらうのが気楽だなあ」 と思いました。
ああも「あなたに尽くします」と、献身的に世話を焼かれたり、 ヨイショされたりしたら(しているつもりもないのでしょうが)、 小心者としては、逆に態度が卑小というか、矮小というか、 とにかく恐縮してしまうことでしょう。 しかし、嬉しくなってしまうことに、 態度のでかい“サー”にとって、ノーマンはいて当然の存在です。 何せ、ヨイショされるのが仕事みたいなもんですから、 ますますつけ上がってしまうわけです。
「演技を堪能する」というのは、こういう映画のための言葉なのでしょう。 偉そうにふんぞりかえるフィニーと、 コートニーのくねくねした動きを見ているだけで、 ええもん拝みましたという心境になります。 二大女優共演というと、「女は競ってこそ華」の美の競演、 対する二大男優というと、 ハードなアクションものがどうしても主流になりますが、 男も「競ってこそ華」かもしれません。
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