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2002年07月22日(月) ロンドン・ドッグス

1968年7月22日、俳優のリス・エヴァンスが生まれました。
もともとの名前はRhys Evansという綴りなのに、
故郷ウェールズをこよなく愛し、芸名の表記もウェールズ風に
Rhys Ifansにしてしまったという人ですが、
そういう民族的なバックグラウンドを意識させる作品がなく、
(『ツイン・タウン』でやっとスコットランドが舞台という程度)
近年はアメリカ映画への出演が目立ちます。
こってこてのウェールズ訛の彼を見てみたいものです。

今日の作品は、彼「も」出演の、
イギリスの豪華スターが続々登場するコメディーです。

ロンドン・ドッグス Love, Honour and Obey
2000年イギリス ドミニク・アンチアーノ / レイ・バーディス共同監督


平凡な郵便屋さんジョニー(ジョニー・リー・ミラー)は、
自分の地味な人生に嫌気がさし、
美貌と切れる頭脳と闇社会へのコネを持った
幼なじみのジュード(ジュード・ロウ)に頼み込んで、
ソチラの世界へと足を踏み入れます。
そこに待っていたのは……刺激的な毎日と、
カラオケ好きの面々でした。

とにかく、カラオケです。
親分レイ(レイ・ウィンストン)がカラオケ命で、
手下たちもそれに従い、ノリノリで歌いまくります。
(ジュードの艶っぽい歌声には惚れ惚れしますよ)
彼には女優をしている若い恋人サディ(サディ・フロスト)もいて、
結婚する予定になっていました。

この映画の大きな特徴の1つに、まるで子役みたいですが、
「役名(ファーストネーム)と役者名が同じ」というのがあります。
些細なことではありますが、それがバディ・ムービーとしての特徴を
非常によくあらわしているようで、
血で血を洗うギャング間の抗争も描かれている、
映画のモチーフそのものにかかわらず、
何ともアットホームな雰囲気を醸し出していました。

といっても、本日これを取り上げるとっかかりとなったR.エヴァンスは、
「Matthew マシュウ」という役名なのですが、
彼の役どころは、訳あってレイたちの一派といがみ合うことになる
敵さんの構成員でした(本当は仲良くしたいのにぃ)。

イギリス映画にありがちな、何が言いたくてつくった映画なのかが
全く見出せない、非常にいいかげんな作品です。
結論を言えば、バカな若者が己の功名心(スケベ心)で行動すると、
周りの者は本当に迷惑しますよ〜というような展開になりますが、
これが「まともな」映画人がメッセージとして選ぶこととは
とても思えません。
そういういいかげんさを楽しめる方にのみお勧めいたします。

ジョニー、ジュードの二大美男子のまぶしさと、
いい人も悪い人もお任せのレイ・ウィンストンの貫祿、
私生活ではジュードの愛妻であるサディの小悪魔的な魅力……
などについて触れた後に残るのは、なんかパッとしない、
むさかったり貧弱だったりするおっさん方なのですが、
皆さん、なかなかキャラクターが立っています。
ちょっと毒のある、繰り返しの小ネタで笑わせてくれるのが、
さりげなくマザーグース的、かも。


ユリノキマリ |MAILHomePage