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2002年04月27日(土) チェブラーシカ

今日は完全に思いつきです。
DVD購入以来、毎日毎日毎日毎日、
1日2回は見ている、こちらの作品を。


チェブラーシカ Cheburashka
1969年(ほか) ロシア(旧ソ連)
ロマン・カチャーノフ監督


旧ソ連時代につくられた人形アニメ3編のオムニバスが、
日本では劇場公開されました。
(それぞれ69年、71年、74年製作)
さらに、DVDには映像特典として、
83年製作分も収録されています。

ある日、オレンジ売りのおじさんがオレンジの箱を開けたら、
中から「サルのような、こぐまのような」
何だかわからないけれど、かわいい生き物が出てきました。
自分でも正体がわからないというその生き物は、
オレンジ屋のおじさんによって、
「チェブラーシカ」(ぱったり倒れ屋さん)と名付けられ、
動物園に連れていかれますが(以下「チェブ」と省略)、
生物学的分類がわからないという理由で、
受け入れを拒否されます。
おもちゃ屋さんのウィンドウで「客の気を引く」仕事を得、
電話ボックスの中で暮らすようになったチェブは、
ある日、動物園でワニをやるのが仕事のゲーナが出した
「友達募集」の張り紙を見て訪ねていき、
寂しさを慰めてくれる友達がいない人が
この町にはたくさんいることを知って、
「お友達の家」を建て、
寂しい同士仲良くしようと頑張るのでした…

というのが第1話のあらすじです。
非常にのんびりとした、愛らしい話ですが、
「額に汗して働く」の名言を残したヒトの
お国の話とは思えないほど怠け者が登場し、
(参考まで……トルストイ『イワンのばか』)
第1話では、「お友達の家」建設に汗を流す
チェブたちの顔写真が、
「働き者表彰板」なるものに張り出されていました。

また、3本のうち2本に登場する
シャパクリャクばあさんのキャラクターも強烈です。
小柄でおしゃれな普通のおばあさんに見えますが、
実は元KGBだとか!
いたずらが大好きで、おちゃめな老マタ・ハリってとこですね。

こういう世界観に弱いんですよ〜。
4本足で歩くのが普通と思っていたけものたちが、
2足歩行しようが、しゃべろうが、
「そういうもん」として受け入れてしまうような感じ。
宮崎&高畑コンビの初期作『パンダ・コパンダ』や、
さくらももこの『コジコジ』などにも通ずる、
びっくりするような柔軟性ですね。

パラジャーノフもタルコフスキーも避けて通っている私には、
ロシア映画は『不思議惑星キン・ザ・ザ』『こねこ』
そして『チェブラーシカ』の3本で十分です…が、
お茶目なロシア映画に触れるたび、
この製作者たちが生まれ育った状況を見るのには、
ちょっと小面倒くさい映画も見た方がいいのかなと、
ちょっとだけ思い直しています。

※チェブラーシカ公式サイトはこちらです。


ユリノキマリ |MAILHomePage