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2002年03月06日(水) ラジオ・デイズ

「きょうの1本」を始めてからもうすぐ1年になりますが、
「きょうは何の日」関係のサイトに出入りさせていただくようになり、
「3の倍数の月の6日」は、それぞれ「兄弟姉妹の日」だという、
非常におもしろいことを知りました。

そんなわけで、本日は3月6日、「弟の日」です。
15年前に初めて見たとき、
「ああ、こんな弟欲しいなあ」と思ったのは、
この映画に登場した少年でした。


ラジオ・デイズ  Radio Days
1987年アメリカ ウデイ・アレン監督


何だかんだと御紹介してしまう本数の多いW.アレンですが、
最近また役者に徹した出演も多いものの、
「彼が出ていないアレン作品」がお好きという方も
いらっしゃるでしょう。
その中でも人気の高いのは、本作ではないでしょうか。

貧しいけれど、わいわいと楽しそうなユダヤ人一家が
物語の中心ですが、
ラジオが夢も娯楽も教養も現実も、すべて運んでくれていた時代、
さまざまな人々のエピソードには、
いつもラジオ番組や、そこから流れるノスタルジックな名曲の数々が
貼りついていました。
それらを惜しげもなく次々と語りかけてくるのが、この作品です。

ユダヤ人一家の1人、ジョー少年(セス・グリーン)は、
どうやらアレン自身の少年時代を投影した存在のようですが、
それにしては、少々かわいらし過ぎる気もしました。
当時12〜13歳だった彼を見て、
「ああ、こんな弟が欲しいっ」と思ったものです。
(まさか、『オースティン・パワーズ』の
Dr.イーブルの息子になろうとは
思いもよりませんでした)

少々トロいけれど、ラジオの世界での成功を夢見て努力する
シガレットガール(ミア・ファロー)、
オーソン・ウェルズが仕掛けた「火星人来襲」のおかげで、
デートがふいになってしまった
ジョーの叔母ビー叔母さん(ダイアン・ウィースト)、
そのほか、時を経ても、いつまでもその声が耳にこだまする、
豪華ラジオ・スターの面々(というか声々)など、
ほっこりするエピソードが、どこか落語的なテンポで綴られていて、
安心して見ていられる作品だと思います。
ウディ・アレン入門編としてもお勧めします。


ユリノキマリ |MAILHomePage