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1947年2月20日、イギリスがインドの独立を承認しました。 そこで…
インドへの道 A Passage to India 1984年イギリス デヴィッド・リーン監督
BAFTA(英国アカデミー賞)の監督部門賞に名を残す 名匠デヴィッド・リーンの遺作となった作品です。 ちなみに原作は、数々の傑作イギリス映画のモチーフとなった E.M.フォースターによるものでした。 (『ハワーズ・エンド』『モーリス』『眺めのいい部屋』など)
1920年代、植民地インドに赴任している婚約者を訪ねた 英国人娘(ジュディ・デイビス)と、 その義理の母親となる老婦人(ペギー・アシュクロフト)。
娘はほんの好奇心から、秘境マラバー洞窟を訪れますが、 カルチャーショックにより、精神的に軽い錯乱を来します。 それが思いもよらぬ事件につながり、 ひいては反英運動へと発展していくのでした…
私は残念ながら行ったことがないのですが、 インドというところは、訪れれば人生観が変わるといいますね。 昨年暮れに惜しまれつつ世を去ったジョージ・ハリスンの インドへの傾倒ぶりも有名でした。 何かを染め上げてしまうような神秘のパワーを感じさせる場所として、 この世の中で、最もふさわしい場所かもしれません。
この映画に壮大なスケールで描かれたインドという場所も、 思わずため息の漏れるようなところでした。 そこへ持ってきて、若い女性の不安定な心理や、 常に高貴な女性としての美点を損なわない老婦人、 (この映画における白人の嫌らしい傲慢さを、 このP.アシュクロフトの名演が救っている感じでした) 哀しいほどに英国人に卑屈な態度をとってしまう現地の人々など、 細かな人間描写も巧みで、非常に見応えのある作品でした。 2時間38分の長尺ものですが、 お時間のあるときに、ゆっくりごらんになってみてください。
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