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失われた週末 The Lost Weekend 1945年アメリカ ビリー・ワイルダー監督
「アパートの鍵貸します」「麗しのサブリナ」といった作品の ワイルダー・タッチを想像すると、 「裏切られた!」と思ってしまうほどにビターでしたが、 秀作には違いありません。
要するに、人はどうやってアルコール依存症になっていくか、 そして、なってしまったら、後に模索すべき道は?というような、 リアルで厳しいお話でした。
「○○依存症」という言葉がありますが、どんな言葉を入れても、 近代病理として成り立ってしまいそうな勢いです。
「買い物依存症」の人は、買ったものの額を聞かれると、必ず 安く値引いて答えてしまう、とか聞いたことがあります。
映画の中のレイ・ミランドも、 飲んだ飲まないの話になれば、平気で嘘をつくし、 酒瓶も巧みに隠すし(その方法に御注目!です)、 飲み代がなければ、家政婦さんに払うべき給料にも手をつけました。
心配する恋人や兄をも裏切り、 とにかく酒、酒、酒と求める男の姿の救いのなさは、 「夢を見せてくれる」という 映画の1つの役割は全く負っていませんが、 何かを考えさせるという点では、 社会的意義の大きな作品だと思います。 たまには、このような作品もどうでしょうか?
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