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2月9日は、作家アリス・ウォーカーの誕生日です(1944年)。 となればもう…
カラーパープル The Color Purple 1985年アメリカ スティーブン・スピルバーグ監督
A.ウォーカーの魅力的な原作を、 スピルバーグがごく素直に(わかりやすく)映像化した、 人種差別や女性解放といった問題を包含した長尺映画でした。 ウーピー・ゴールドバーグの名前を人々の胸に印象づけた 作品でもあります。
ある一組の仲のいい姉妹を中心に、 映画の中でいろいろな形で難を被るのは、みな黒人の女性たちです。 見ていて胸の詰まるようなシーンも多々ありましたが、 めりはりのある映像の美しさも印象的で、 スピルバーグのそれまでのイメージをを変えた意欲作でした。
原作は、主人公セリー(W.ゴールドバーグ)が一人称で、 おどおどとためらいながら語るというスタイルのものでしたが、 ウーピーの名演は、その辺を実によく表現していたと思います。 救いのない役に見えて、どこかユーモラスな味わいを覗かせるのが、 いかにも彼女らしいと思いました。
『リーサル・ウェポン』で、メル・ギブソンとの名コンビを見せる ダニー・グローバーは、この映画では完璧に悪役。 同年につくられた『刑事ジョン・ブック/目撃者』でも 悪徳警官という役どころだったので、 1987年『リーサル…』の彼を見て、 意外に思った方もいらっしゃるのでは?(私がそうでした)
それまでみんなに愛される娯楽作を撮ってきたけれど、 この映画がつくられてから既に17年が経過し、 気づけばオスカー2個のホルダーになっていた、そういう人ですから、 正直、「監督がスピルバーグだ」と思いながら見ると、 よくも悪くも、そのイメージのみで評価してしまうような 社会派の重いテーマの作品だとは思うのですが、 ここはひとつ、ぜひとも素直に味わっていただきたいと思います。
また、余談ですが。 栃木県・那須の那須テディベア・ミュージアムに 映画のシーンをモチーフにした展示物があるのですが、 その中で、アーリーアメリカン調のドレスに身を包み、 ドレッドヘアにしたクマちゃんがいます。 あれは絶対、ウーピーがモデルだと思うのですが… (※2001年1月現在にはあったのですが、 現在も展示されているかは不明)
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