Dailymovie
DiaryINDEXpastwill


2002年02月09日(土) カラーパープル

2月9日は、作家アリス・ウォーカーの誕生日です(1944年)。
となればもう…


カラーパープル The Color Purple
1985年アメリカ スティーブン・スピルバーグ監督


A.ウォーカーの魅力的な原作を、
スピルバーグがごく素直に(わかりやすく)映像化した、
人種差別や女性解放といった問題を包含した長尺映画でした。
ウーピー・ゴールドバーグの名前を人々の胸に印象づけた
作品でもあります。

ある一組の仲のいい姉妹を中心に、
映画の中でいろいろな形で難を被るのは、みな黒人の女性たちです。
見ていて胸の詰まるようなシーンも多々ありましたが、
めりはりのある映像の美しさも印象的で、
スピルバーグのそれまでのイメージをを変えた意欲作でした。

原作は、主人公セリー(W.ゴールドバーグ)が一人称で、
おどおどとためらいながら語るというスタイルのものでしたが、
ウーピーの名演は、その辺を実によく表現していたと思います。
救いのない役に見えて、どこかユーモラスな味わいを覗かせるのが、
いかにも彼女らしいと思いました。

『リーサル・ウェポン』で、メル・ギブソンとの名コンビを見せる
ダニー・グローバーは、この映画では完璧に悪役。
同年につくられた『刑事ジョン・ブック/目撃者』でも
悪徳警官という役どころだったので、
1987年『リーサル…』の彼を見て、
意外に思った方もいらっしゃるのでは?(私がそうでした)

それまでみんなに愛される娯楽作を撮ってきたけれど、
この映画がつくられてから既に17年が経過し、
気づけばオスカー2個のホルダーになっていた、そういう人ですから、
正直、「監督がスピルバーグだ」と思いながら見ると、
よくも悪くも、そのイメージのみで評価してしまうような
社会派の重いテーマの作品だとは思うのですが、
ここはひとつ、ぜひとも素直に味わっていただきたいと思います。

また、余談ですが。
栃木県・那須の那須テディベア・ミュージアム
映画のシーンをモチーフにした展示物があるのですが、
その中で、アーリーアメリカン調のドレスに身を包み、
ドレッドヘアにしたクマちゃんがいます。
あれは絶対、ウーピーがモデルだと思うのですが…
(※2001年1月現在にはあったのですが、
現在も展示されているかは不明)


ユリノキマリ |MAILHomePage