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2002年02月07日(木) ぼくの美しい人だから

本日2月7日は、
ジェームズ・スペイダーの誕生日です(1960年)。
そのひやっとした美貌のせいか、
80年代は嫌みなお坊ちゃんや
エリート役が多かった彼ですが、
実は早々と学校教育に見切りをつけ、
若くして結婚した奥様とラブラブ〜という
よき夫、よきパパだったのですね…

その彼の映画の中でも、
比較的好感度の高い役を演じた作品といえば…


ぼくの美しい人だから Whitw Palace
1990年アメリカ ルイス・マンドーキ監督


L.マンドーキ監督といえば、
「恋する成人男女」の映画がやたら好きな人ですが、
この映画の出来が最もいいと個人的には思います。

グラン・サヴァンの小説を原作に、
ホワイトパレス(原題ですね…)という、
もったいぶった名前のハンバーガーショップで働く
40代のノラ(スーザン・サランドン)と、
20代のエリートビジネスマン、
マックス(J.スペイダー)の
「体の関係から始まる恋愛」を、
お互いの考え方や生きてきた環境のギャップを盛り込みつつ、
深刻にならず、ユーモラスに描いた佳作でした。

そもそもの出会いが、
マックスが「ホワイトパレス」で
大量のハンバーガーを買ったものの、
中身が入ってないじゃねーか〜とクレームをつけにいき、
「何よ、アンタ言いがかりつける気?」とノラが返すような、
考えてみれば、少しもロマンチックでないものでした。
エリートでも、ハンバーガーくらいは食べるのですね…
年が離れているとはいえ、
双方、それなりの人生を背負ったオトナですから、
このくらいの方が、妙なリアリティがあるというものです。

ノラという女性は、一言で言って「荒れて」います。
掃除が苦手で、体の線も崩れかかっていて、だらしない。
しかも年増で、一体どこがいいんだろう…とか何とか、
この映画、「あの美青年があんな女に…」ということで、
羨望やら嫉妬やら、あるいは疑念といったもので
見られがちですが、
この映画を見た当時20代前半だった私からしても、
マックスだって、それなりの逆境も味わっているとはいえ、
世間知らずで人を見下したところのあるぼんぼん、
一体どこがいいんだ?とさえ感じました。
(顔が…というのはナシ)
恋愛や結婚は、つくづく相身互いです。

「運命の恋」という設定だけに頼った恋愛映画は苦手ですが、
この『ぼくの…』は、反発から始まって、再会があって、
また反発し合いながらも、お互いを理解しようと努力はしている、
そんなところに好感を覚えます。
それだけに、この邦題、耳に心地いいけれど、
ちょっととんちんかんな感じが否めないのですが…
かといって、原題のままでは
ファンタジー映画と勘違いしそうですけど。


ユリノキマリ |MAILHomePage