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きょうは何も思いつかなかったので、 「とっておき」にしようと思っていた映画を 引っ張り出すことにしました。
アメリ Le fabuleux destin d'Amelie Poulain 2001年フランス ジャン・ピエール・ジュネ監督
フランスで巻き起こったという 「アメリ現象」ともいうべきブームは 日本でも進行中のようで、 すこぶる評判がよろしいのですが、本当におすすめの1本でした。
さきに御紹介した『マグノリア』にも通じるような描写で、 でももっとユーモラスなオープニングから始まって、 ウェイトレスとして働くちょっと変わった娘、アメリ・プーランの 生い立ちが紹介されます。
教師の母と医者の父の間に生まれたアメリは、 父親の勘違いから学校に行かせてもらえず、 母親から勉強を教わり、幼少時代は友達と遊ぶことなく過ごします。 そんな生活の中で培われた想像力は、 全くもって「映画の主人公」向きなのですが、 (彼女の頭の中をのぞくための映画、みたいな面があるので) とにかく、「現実との対峙」ってやつが苦手です。
ごく限られた交遊関係しか持たなかったアメリでしたが、 1997年、ダイアナ妃の事故死を伝える報道を見た日、 彼女が「外の世界に飛び出してみよう」と思う出来事が起こります。 そうして、自分の周囲の人々を、今より少しだけ幸せにするための ちょっとしたかわいい悪戯をすることにハマるのですが、 「自分と同じにおいを持った男性」に恋したことから、 どう気持ちを伝えたらいいか、あたふたとしてしまい…
性的な用語から日常語になった感のある 「フェチ」という言葉がありますが、 人間、誰もが何かしらの「フェチ」で、 全く逆に、「これだけは許せん!」というものを持っているはず。 そういうこだわりを恥じたり誇ったりしながら大切にしている、 すべての映画好きに見ていただきたい映画です。
主演のオドレイ・トゥトゥーの愛らしさは、 往年のオードリー・ヘップバーンか(そういえば、同じ名前)、 『汚れた血』の頃のジュリエット・ビノシュかといった雰囲気があって、 好みかどうかはともかくとして、ぱっと見て惹かれるものがあります。 私も、彼女タイプが特に好みというわけではなかったけれど、 見終えた頃には、あんな妹がいたらかわいがるだろうなーと思いました。 (というか、敵に回したらヤバそうな子なので)
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