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2001年10月14日(日) ショーシャンクの空に

ショーシャンクの空に
The Shawshank Redemption

1994年アメリカ フランク・ダラボン監督


今月は、「〜に因み」で、この映画を紹介するに足る日が、
実はほかに2日あります。
16日のティム・ロビンスの誕生日と、
17日のリタ・ヘイワースの誕生日。

今日10月14日は、1922年、「監獄」が「刑務所」と改称された日とか。
以前、刑務所の教誨師さんの会議の仕事を反訳したことがあり、
大昔の「監獄」について書かれた本を資料として読んだのですが、
何とも…寒そうな場所でした。
罪人を閉じ込めてお仕置きをするための場所か、
悔い改め、更生するための機会を与える施設か、
字を見ただけでも、その違いがよくあらわれているなあと思いました。

閑話休題。この映画はファンが非常に多く、
今や日本国首相の小泉純一郎さんもお好きと聞いたことがあります。
なので、今さら粗筋をだらだら言うのも野暮なのですが、
(ネタバレ厳禁系の物語だし)
ざっと御紹介させていただきます。

原作は、『スタンド・バイ・ミー』『ゴールデンボーイ』などの
原作者としても知られる、スティーブン・キングです。
タイトル(邦題)だけ聞くと、「刑務所のリタ・ヘイワース」と、
何となく、マニュエル・プイグの『蜘蛛女のキス』(やはり映画化)を
想像させる響きがありますが、
どこか怪しげな魅力のあるあの世界観に比べると、
こちらは、ある男のとてつもない行動力が、
非常に痛快な感動につながりました。

妻殺しの冤罪で刑務所に服役するアンディ(ティム・ロビンス)は、
それまではエリート銀行マンでした。
所内でいろいろな物品を調達している“ベテラン服役囚”の
レッドという男(モーガン・フリーマン)は、
「新入りの中で一番先に泣き出す奴は誰か」という仲間内の賭けで、
背ばかり高くて妙に小ぎれいなアンディに賭けますが、
彼は非常に寡黙で、服役仲間に打ち解けることすらありません。
アンディが、石細工でチェスの駒をつくるためのハンマーを
レッドに頼んだことから、お互い妙にうまが合うことがわかります。
アンディはこのほかにも、人気女優リタ・ヘイワースのポスターを
頼んだりしますが、
知的で意志が強く、また茶目っ気もあるこの男は、
自分なりの方法で刑務所の改革に乗り出したりして、
服役囚のみならず刑務官たちの間でも、信頼される存在になります。

とはいえ、服役生活にピリオドを打ちたいと思っていたアンディは、
20年近くたってから入ってきた新入りトミー(ギル・ペロウズ)が、
自分の釈放に有利な証言をしてくれることを知り、希望を得ますが、
それも刑務所上部に握りつぶされてしまいます。
精気を失ったようになるアンディを、レッド初め仲間たちは、
自殺でも図るのでは?と心配しますが、
アンディのその後の行動は、そうした懸念を全く超越したものでした…
ある意味、人智を超えちゃってます。

繰り返しになりますが、本当に痛快な作品です。
しかも、刑務所内での人間模様をしっかり描いているという
下敷きがあってこその感動だと思うので、その辺も堪能してくださいませ。
原作と照らし合わせると、
アイルランド系のレッドを黒人のM.フリーマンが演じたのは、
いかにもハリウッド(というかアメリカ)的演出という気がしますが、
(でも、フリーマンは本当にイカしたじいちゃんなので、文句なし)
小男として登場するアンディ・デュフーレンを、
ハリウッドメジャーどころでは最ものっぽな1人である
ロビンスが演じたのは、非常に効果的だったと思います。
いつも一緒のフリーマンも大柄だということもありますが、
ロビンスって、座っていると大男に見えないんですよね。
きっと、すごーく脚が長いのでしょう。
人ごとながら、腰痛に悩んでいないかなあといつも心配です。


ユリノキマリ |MAILHomePage