「真人が死んだらあたしは絶対引きずるよ」
そう言ってあの子はあたしに枷を付けた
血の繋がった
同じモノで構成された、妹

ずっと知らなかった。
あの子が小学校の時に自傷をしていたことも
あの子が抱えたコンプレックスも
ずっとずっと
十八年間
一緒にいたのに

あたしは
あたしのことの精一杯で
多分何も見えてなかった
何も、見てなかった

沢山の約束が枷になって
三途の河の向こうに渡ろうとする
あたしを此岸に引き留める
その度にあたしは
生きなくちゃなって思う

それでも時たま
ビルの窓から
橋の上から
ロフトの梁から
まな板の上の包丁から
ホームの先から
あたしを招く声が聞こえてくる

どうすればその声が聞こえなくなるのか
それが、今一番求めたい答え
2009年03月26日(木)

AGO。 / 走馬真人

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