a・phá・si・ac ...かな

 

 

- 2002年08月14日(水)

もうすぐ 跡形もなく消えてしまうのじゃないかと思う

あなたの写真も あなたの文字も 無くしてしまった
あなたが居た事を照明するものをあたしはもう何も持っていない

もう会えないのなら いっそ会わなかったことにしようと
思ったのかどうか あの日

あなたがいなくなって一月ほどの記憶がおぼろげなあたしは
全てを燃やしてしまっている自分を 薄い絹で織ったような
蚊帳の中から 為す術も無く ただ人事のように見ていた



記憶の海馬が ニューロンの細い糸が
あまりにも頼りなくて きっとそのうち
あなたの名前も忘れてしまうんじゃないか

何が現実で何が虚像なのか
あなたは本当に実在したのか

夢だったのかもしれない


それでも

あなたがくれたたくさんのものを消すことはできなくて
それは時として とても 辛いけれど

やっぱり 時々 あたしはあなたがいないことを
忘れてしまうことがある

忘れたいのは一体なんだろう


守るべきものも
失うべきものも
何も無い

それは 強さではない

あたしが生きているのは
人殺しとあたしを罵った彼女が
あの時 自分だけ傍にいくなんてずるいと
泣きながら叫んだからだ




ごめんね うーちゃん
おにいちゃんのお墓参り
あたし まだ いけない





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