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夕凪いで - 2002年07月18日(木)

仕事を早めに切り上げて 部屋に戻る


玄関のドアを開け放して 部屋に風を通す

ほの明るい 少し頼り無くなりつつある

外の光りを集めて 読みかけの本を広げる

ふと顔をあげれば 太陽は沈み その僅かな
名残りだけが 手許を 照らしていることに
濃い自分の影が消えたことで ようやく気付く



なずみゆく夏の夕暮れ

じっと佇んでいると微かにそよぐ夕凪
流れるピアノの旋律に混ざって聞こえる
車の音 雑踏 笑い声 救急車のサイレン

遠く近く 繰り返す波のように


そして あたしは 仰向けになって目を閉じる

沈み行く意識の中で 


ほんの 少し

何ものでも無いあたしになって

感じる 幸せ





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