MEMO(引用) - 2002年06月10日(月) 赤ちゃんは強烈な刺激と共に生まれてきます。 医学的な研究によると、産道を通過中の胎児は、心拍数を通常の半 分以下に落として、ストレス時に分泌される「ノルアドレナリン」 を大量に分泌するそうです。 この窒息寸前の強烈な刺激、おそらく赤ちゃんにとっては「ストレ ス」と言ってもいい状況が脳と肺機能に伝達されて、水中生活から 陸上生活への適応能力が完成されるのです。 羊水の中ではしていなかった、空気を吸ったり、母乳を飲んだり、 ベッドで寝たりする・・・いわゆる「赤ちゃんとして当然の行為」か と感じるその動作は、生まれ出てくる時「ストレス」を感じ、その ショックを「スイッチ」として、瞬時に体の機能のスイッチを切り 替えているのです。 赤ちゃんは産道を通過する時、お母さんと同じくらいの試練を乗り 越えて生まれてきているわけですね。 お母さんの産道が赤ちゃんの頭の大きさまで広がることは、多少の 痛みがあるでしょうし、ワタシにはまだ感じたこともないような辛 く苦しいストレスを、お母さんも感じることでしょう。 ですが、狭い産道を通る時のストレスもまた赤ちゃんにとってはこ のスイッチの役目をしているそうです。 帝王切開で、産道を通らなかったとしても、生まれ出て初めて重力 を感じること、へその緒を切られ、自分の命の全てを司っていた胎 盤から切り離されること等も、赤ちゃんが一人の人間として独立し、 自分自身で文字通り「世に生まれ」出て、様々な動作をするための 大事なプロセスの一つであり「大事なストレス」なのです。 余談ですが。 母親側の痛みの刺激については、まだ深く研究されていないようで すが、胎児と同じように母親もまた、何らかのストレスなりを与え られることによって、特殊なホルモンが分泌されて、産後に必要な 母体に導いていることは間違いないようです。 また、出産時に母親が痛みから逃れようとするとき、その痛みは強 く感じられ、痛みを覚悟して受けとめようとするとき、半減するそ うです。 人体の神秘ですね。 科学は既に、我々の記憶力と感情の強さの関係を捉えており、感情 を司る脳、偏桃帯で大きな強い感情を感知した場合「ノルアドレナ リン」が大量に分泌され、記憶を強固なものにすることが解ってい ます。 これは生物が生命的な危機を記憶し、生存のためにその後のストレ スにうまく対処する必要性から生まれた、生き残るための生まれ持 ったシステムなのであろうと解釈できます。 また、とある産婦人科医がお母さんの協力を得て聞き取りをしたと ころ、胎内の記憶を53%の子どもが持っており、41%近くの子ども が出産の体験を記憶しているとのデータが朝日新聞で発表されたそ うです。(2001年9月23日) この例にしても、潜在意識に強く刻まれる誕生の記憶があることは、 生き残りのシステムを、自分自身に刻んでいるということで納得が いきます。 もちろん母親にとっても、出産は強烈な印象深い体験であることは 間違いないですから、その体験≒ストレスによっては忘れがたいも のとなるわけですね。 「ストレス」は、DNAにも記憶されることが科学で証明されていま す。 ワタシ流の解釈で言うなれば、そのストレスと回避方法をDNAに刻 むからこそ、生まれ出る事ができるのではないかと思うのです。 赤ちゃんが無意識に「窒息寸前の強烈な刺激」という状態を作って わざわざスイッチを切り替えるような状態を作れる、ということは 自分がこのように乗り越えてきたよ、ということが赤ちゃんを形成 しているDNAの一部分、無意識下に刻まれ、代々受け継がれてきた ことなのでしょう。 前置きが長くなりましたが。 「ストレス」に近い、もしくは同一の悩み、不安、乗り越えたい自 分の中にある、どーしょもなく辛いこと。 『貴方はそれを乗り越え強くなりたいと願うか』 それは、生まれ出たときから既に始まっていて、自分の体内の構造 を、とてつもなく大きく変化させる程の苦しさを、既に乗り越えて いるはず。 貴方がストレスを感じ、辛くともそれを乗り越え、文字通り新しい 貴方が新しい貴方として「生まれ出た」時、貴方は格段に成長する であろうし、それは遺伝子レベルで受け継がれてゆくのだと思いま す。 そして。 ある一つのストレスから逃げたとしても、乗り越えたとしても。 望まなくてもストレスは常に存在し、ストレスが全くない状態は、 ほぼ永遠にありえないと断言できようかと。 ストレス=辛いこと、かもしれない。 けれど、それは言い換えれば無意識下における、貴方が成長できる スイッチが見えた瞬間かも知れないと思うのです。 大丈夫、みんな『強い』よ。 -
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