スローハンドの佐野さんにデモを渡した

いや
『ピアニストの佐野さん』に渡した

そのデモには
いつも僕がソロの時に歌うアカペラの曲が入っている

その曲をアカペラでやっている理由はふたつ

歌だけが歌いたかったこと

曲をイメージしたときに
「これはピアノや、間違いない」と感じたこと

ピアノやと思ったのは
佐野さんという存在があるからでもありました

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sumito　詞･曲：フジタスミト

空が晴れたら出かけよう
晴れてなくても出かけよう

出くわす犬に声かけよう
「生きる力」を授かろう

雨がやんだら出かけよう
やんでなくても出かけよう

花を見つけて微笑もう
枯れた花にも色さがそう

ありふれた積み重ねは
時を越えて降りそそぐよ

舞い降りる言葉と
舞い上がる魂を

限りなく紡ごう　果てるまで歌おう

夢に見る 今も見てる
たとえ其処に行けなくても

舞い降りる言葉と
舞い上がる魂を

限りなく紡ごう　果てるまで歌おう

果てるまで歌おう
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月曜の晩にスローに寄った

開店してすぐ
お客さんは僕だけ

二人でデモを聴いた

佐野さんがピアノの前に座って
指がコードを追い始めた

僕がギターを手にとって歌いだす

輪郭が見えてくる

去年ずっと歌ってきたくせに
今やっと佐野さんの手で生れ落ちた気がする

こりゃ〜たまらん♪

この曲を書いて良かったと思う
この曲が新しいアルバムを作りたい衝動に駆り立てる

この曲には年を経て遠のいてしまうリアリズムはない

この曲の中にいる僕は
たぶん死ぬまでずっとこんなヤツやもん♪

この曲は

捨てられへん♪