【三志塾】 塾長yoneの授業日記

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2000年11月23日(木) 勤労感謝の日

題名にはあまり意味はありません。すみません・・・

昨日(22日付)の朝刊で、
「学力低下危惧に配慮 −中教審中間まとめ素案・教養の基本重視を−」
という見出しの記事を読みました。
ようやく学力低下を危惧する世論に反応したか、という思いです。

記事によれば、文相の諮問機関である中央教育審議会は中間まとめの素案の中で、
「読み・書き・計算」が教養の基本となる「型」であるとした上で、
「学校は『型』を定着させるように、全力を注いで徹底的に指導することが必要」
と強調。さらに「個性重視を強調するあまり、基礎・基本の徹底指導が個性尊重と
相反するというような考えは、まったくの誤り」と批判しています。

また「経済や社会が知識に基づいた『知識社会』へ世界は移行している」とした上で、
教養とは「どのような方向に進むべきか考え、主体的に行動していくための原動力」
と定義。職業人として求められる能力を水準は多様化・複雑化・高度化するとし、
「一人一人が自分の力で考え、時には環境に立ち向かっていく気概が求められている」
と指摘しています。
これら内容には、まさにその通りだ!と思いました。

ところが、2002年から実施される新学習指導要領(小・中における学習内容の3割削減)
については、「新しい学習指導要領でも、基礎・基本を徹底的に指導したうえで、
多様な個性を伸ばすことを一貫した方針としている」と述べるにとどまり、
3割削減による基礎学力低下への影響には言及していません。
一方では学力低下を危惧する声に配慮した内容になっているものの、
他方では学習内容の3割削減に問題はないという内容になっており、
矛盾と中教審のジレンマが感じられます。

小・中学校9年間の基礎知識と基礎学習を削減し続けて、
本当に中教審が今回の素案で言うように
「どのような方向に進むべきか考え、主体的に行動していくための原動力」が養われ、
「一人一人が自分の力で考え、時には環境に立ち向かっていく」人間が本当に
育つのでしょうか。

「学ばせず、立派な思考力と表現力を持つ大人にする」
こんな至難の業を文部省はやろうというのだから、
日本のお役所って何てすばらしい発想力を持っていらっしゃるのかと、
ホント感心しちゃいます(笑)


過去の今日・・・



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