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※ いちおう、未見の方は読まない方がいいかもしれないです。
裸で眠るナオミ・ワッツと黙って彼女を見つめるショーン・ペン、どういうシチュエーションなのか説明もないままにスタートしたその後は時間も場所も入り乱れた切れ切れシーンの連続。面くらいつつも話に置いて行かれないよう必死に目を凝らし、ああ時間軸を無視して場面を切り張りしてるのだ、と気づいた頃にはすっかりひきこまれているという。細切れにされてはいるものの登場人物の雰囲気の違いで見ているうちに前後関係はそれとなく察しがつき(下手な役者が演じてたらこうはいかなかったであろう)、話が次第に解き明かされていく様は絶妙、またそれでいて最後の最後まできっちり緊張感を持続させていた点もお見事でした。ただ聞くところによると、私は観てないんだけど、この監督は前作「アモーレス・ぺロス」でも似たような手法を用いているそうですね。出来映えは確かなものだったので二度目だからと言って批判するつもりはないけれども、今度は正攻法の作品も観てみたいなあと思う。
ペンとワッツとトロ氏、主演三人の演技がとにかく秀逸で、ストーリーそのものよりも個人的にはこの三人の健闘を称えたいです。ナオミ・ワッツは泣き叫んだり取り乱したりするシーンが特に素晴らしく、家族の死を知らされた時やペンが夫の心臓のレシピエントだと知った時なんかちょっともらい泣きしそうなほどに痛ましいものがありました。あとね、今回トロ氏がほんとに上手かった。「ハンテッド」の時はさんざん笑い倒したりしてごめんな、友よ(笑)。痛々しいという点ではある意味ナオミ・ワッツを超えていて、突っ走った信仰心でなんとか自分を保っているような不器用な男を演じているんだけど、例の「地獄はここにある!」のシーンとかものすごい迫力、ワッツとは違う意味で泣きたくなりました。宗教って本当に難しい。
「21g」というのは人が死ぬ時に失う魂の重さだそうですが直截に21gがどうこういう話ではなく、また、題材的には臓器移植が取り上げられているけれどもその是非を問うような切り口でもない。描かれているのは起こってしまった運命に翻弄され交錯する三人の人生であり、それゆえ劇中何度か繰り返される「それでも人生は続くのよ」、という言葉が胸にずしりと響きました。それでも人生は続く。真理ですね。
【本日の拍手レス】 メッセージいただいた順、お名前を教えて下さった方に関してはイニシャルトークで(笑)。もちろん無記名でも構いませんよ〜。
6/19(土)9時台のMさん> いやあそりゃあもう、かわゆい男の子探しはわたくしのライフワークですから!ご一緒に楽しみましょう(笑)。
6/21(月)7時台のMさん> おおっ!おかえりなさいまし〜。さっそく拍手ありがとうございます!
--------------- web拍手ボタン、そろそろ撤去しよっかなー、と考えております。いや、犬の写真がなくなってきたんでね。(そういう理由かよ) なので押してみたい人は今のうちにどうぞ!ピンポンダッシュOKです!拍手だけでも嬉しいのでー。
****** 21グラム 【21 GRAMS】
2003年 アメリカ / 日本公開:2004年 監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 出演:ショーン・ペン、ベニシオ・デル・トロ、ナオミ・ワッツ、 シャルロット・ゲンズブール、メリッサ・レオ (劇場鑑賞)
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