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今年の初夢に嶽本野ばらが出てきたんですよ。いや、ほんとに(笑)。特別ファンではございませんが夢での逢瀬も何かの縁、邦画は苦手なわたくしなれど、映画下妻は忘れずチェックいたしましょうと心に固く誓った次第でして。そしたら何だよこれ、すっげー楽しいじゃんよ!もー観て良かったです。夢にまで宣伝に出てきてくれた野ばらちゃんに謹んで感謝。
茨城県下妻市を舞台に繰り広げられる真性ロリータちゃんとヤンキー娘の一風変わった友情物語。って言葉で要約するととたんに色あせてしまうな。コメディはコメディなんだけどこの独特のノリとスピードとコテコテ度ドタバタ度っていうかどこまで本気?+ホロリ感を知りたかったらとにかく観て!と言うしかありません。今回私は原作を読んでないんだけど、この独特のノリとスピードとコテコテ度ドタバ(以下略)って原作者野ばらちゃんの作風を上手いこと表現しているような気がします。ある意味非常に原作に忠実というか(読んでないのにわかるのかよ!とお思いかもしれませんがストーリー詳細のことではなくあくまで雰囲気のことですから)、こういう映画に仕上がったなら作者としても文句ないんじゃないかなーと思う。
乙女はハードボイルド、乙女は孤高、ワガママ上等、偏愛推奨、心は狭く、思いこみ激しく、自分のことしか考えず、純真で美しく高慢であれ。そう主張しながら嶽本野ばらは乙女のカリスマとして現れました。平等だの平和だの仲間だの胡散臭い世俗の美徳に迎合することなく我が道を行く、ちまちま努力などせず根性で我を通す、これぞ乙女の理想的スタンス。とすると深キョン演じるロリータ桃子がいかに完璧な乙女として描かれていたかおわかりでしょう。茨城の下妻だろうが父親が無職だろうが部屋が畳の和室であろうがそれらは全て些細なこと、野暮な現実は思いこみでねじ伏せてロココ時代のおフランスに思いを馳せ、ロリータ道を大驀進なのです。一方のイチゴも同じこと。“御意見無様”でもバイクが原チャでも、己のヤンキー道を突っ走るのにこれっぽっちも影響しません。 価値観を崩さない、状況に流されない、乙女な二人はここをきっちり守ります。大好きなお洋服のブランドから契約の話を持ちかけられても「労働はちょっと…」「作るより見ていたいし、着ていたいし…」などと乗り気じゃない桃子。美少女モデルとして見いだされたというのにまるで興味を示さないイチゴ。端から見たら何で?勿体ない!と思える展開であろうとも決して気安く有頂天になったりはしない。どうよこのワガママにして潔癖なる乙女ゴコロ、日頃損得考えて動いてる俗人(私もな)には理解できまい(笑)。映画がこれだけ大ヒットして→世界進出まで決まったというのに「映画はかなりヒットしているらしいが 野ばらは、今、書いている 続編のことしか興味ないもん。。(嶽本野ばら公式サイト6/1の日記より)」などと言ってる原作者も同じですね。さすがは乙女のカリスマです。
土屋アンナのヤンキーっぷりがとにかく素晴らしい。今時一人称が「あたい」なところとか尾崎豊を信奉してるところとかなんかもう全て似合ってて最高でした。深田恭子も良かったです。適役だったと思う。他にも篠原涼子とか阿部サダヲとか濃ゆい面白キャラ続出なのでかなり楽しめます。あと宮迫博之もいい味出してた。この前の「CASSHERN」にも出てたし最近活躍してますね。
そんなわけで、とりあえずこれ今んとこイチオシの邦画ですよ。って、ああ私が、この私が邦画をおすすめする日が来るなんて(笑)。でもほんと、今年は邦画が楽しいなあ。 ちなみに嶽本野ばらは現在「続・下妻物語」を連載中です。→コチラ(「WEBきらら」公式サイト)で初回が読めますよ!(要Acrobat Reader)
【本日の拍手レス】〜前回更新「キル・ビル vol.2」分〜 メッセージいただいた順、お名前を教えて下さった方に関してはイニシャルトークで(笑)。もちろん無記名でも構いませんよ〜。
6/13(日)16時台にコメント下さったKさん> 出だし、確かに良かったですね!私はエンディングも好きです(笑)。
6/14(月)18時台にコメント下さったYさん> 同感〜!タラちゃん最高!(笑) 次の作品が楽しみです。
6/15(火)16時台にコメント下さったkさん> ほんとあのシーンは感動しました。ありえない!とかつっこみ入れつつ本気で胸を打たれている自分がいる、みたいな(笑)。犬サンクス〜!また変えました(笑)
--------------- 拍手だけでも嬉しいです!もうしばらくつけときますので気が向いたら押してやってくださいねー。
****** 下妻物語
2004年 日本 監督:中島哲也 原作:嶽本野ばら「下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん」 出演:深田恭子、土屋アンナ、 宮迫博之、岡田義徳、阿部サダヲ (劇場鑑賞)
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