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2003年01月17日(金) SWEET SIXTEEN

この映画特別気にしてなかったんだけど、何かのテレビ番組でおすぎが良かったと言ってたので遅ればせながら観てみることにしたのです。しつこいようですが私結構おすぎと気が合うのでね。おすぎが「んっもうカッコイイのよぉ〜、素敵なのよぉ〜」とか騒いでる俳優は大抵私も好きです。って気が合うのは映画じゃなくて男の趣味かよ。

などという話はどうでもよくて(なぜいつも本題に入る前から脱線するのだろう私は…)、ええと「SWEET SIXTEEN」、真面目な映画でした。16歳の少年が主人公ってことでアラそれじゃかわゆい男の子のキャピキャピぶりを思う存分堪能できるのかしら?などとよこしまな期待をしていた自分が恥ずかしゅうございます。反省。ケン・ローチ監督ごめんなさい。ていうかケン・ローチにそんな期待をすること自体がそもそも不謹慎な大間違いだよあんた。

舞台はスコットランドの田舎町。主人公のリアム君は16歳の誕生日を二週間後に控えてる15歳の少年なんだけど、色々身辺に問題を抱えているのね。不甲斐ない母親は刑務所で服役中だし、一緒に住んでる祖父と母親の恋人(ヤクの売人。チンピラ)はめっちゃ悪人。彼自身も学校にも行かずタバコを売ってお金を作ったりしてる。でもリアム君は心はとってもピュアなので、母親との静かで温かいまっとうな暮らしを夢見てお金を貯めようと必死で頑張るんです。頑張って頑張って、そうしてだんだん引き返せない世界に足を踏み入れてしまう。

うーん、ケン・ローチ監督さすが。手堅い仕上がりです。見応えありました。この映画では、大人がみんな挙ってダメ人間なんですよ。その分リアム少年の健気さが身に沁みるし、それに別居してるお姉さん(10代)の方がしっかりしていてよっぽど大人。「ブレッド&ローズ」もそうだったけど、「姉」の存在がすごく印象的でした。
まあひとつ無理して難癖つけるとしたら、主人公のリアム君があまりに大人が考える「少年」像すぎるきらいがあることかな。だから年とってる人ほど胸を打たれる映画かもしれない。でも、何て言うかなあ、実際の15歳というのは、大人が考えてるほど子供じゃないと思うんだよね。逆に15歳の頃って、例えば30歳くらいの人がすごい大人に見えたけど、実際自分がその歳に達してみるとそうでもないでしょ?それと同じで。

リアムを演じたマーティン・コムストン君はオーディションで選ばれた新人君。演技の経験はなかったそうですが、でも上手でした。この役が似合ってた。
あと全体にスコットランド訛りがすごい。英語が全然できない私でもわかるくらいまったく英語に聞こえなかった。(まわりくどい言い方だな。)カンヌでは前代未聞の英語字幕上映だったそうです。


しかしこれ、タイトルが「SWEET SIXTEEN」てとこが、なんとも切ないなあ。スイートではないよなあ。でもスイートなのかなあ。ラストシーンは大変切なかったです。
 *公式サイトは→コチラ



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SWEET SIXTEEN  【SWEET SIXTEEN】 

2002年 イギリス・ドイツ・スペイン / 日本公開:2002年
監督:ケン・ローチ
出演:マーティン・コムストン、ミッシェル・クルター、
アンマリー・フルトン、ゲイリー・マコーマック
(劇場鑑賞)


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