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2002年09月28日(土) ザ・ロイヤル・テネンバウムズ

ベン・スティラー&オーエン・ウィルソンという、たまたま先日見た「ズーランダー」と同じ顔ぶれだったので似たような路線のコメディかと思ってたらそういうわけでもなかったです。ところどころププッと笑える小ネタみたいのはあるんだけどおバカ系では全然なくて、どことなくシュールでシニカルで一風変わった家族ドラマ。既にバラバラになってる家族関係を22年ぶりに修復しようとする父親中心に、かつて“天才ファミリー”でありながら今はそれぞれ問題を抱えているテネンバウム家の個性的な人々が描かれます。
この一家が結構豪華メンバー。調子良くて自分勝手な父親役にジーン・ハックマン、その妻(母親)がアンジェリカ・ヒューストン。長男が最初に挙げたベン・スティラーで、長女はグウィネス・パルトロウ、そして次男がオーエンの実弟ルーク・ウィルソン。みんなちょっと(でもなく)変わった性格で、ヘラヘラしてる父親以外はベンもグウィネスもニコリともせず終始無表情。あ、でもグウィネス・パルトロウはこれハマリ役じゃない? 下手にゴージャスな役柄よりこういう方がずっと良いと思うんだけど。

ただしこの映画、観るのに少々集中力を要するというか、テンポ的にはいまひとつなんだよね。絶対好き嫌いが分かれるだろうなあ。もともと話らしい話があるわけでもない上に、撮り方が、こう、平面的なんですよ、全体。セットに配置された役者を真正面(や真横)から捉えてそのまま動かない、というようなシーンが多くて、自然な動きや躍動感をわざと抑えてる感じ。章立てされた構成でナレーションも入って話が進むし、なんか実写で作られた絵本を見てるみたいな気分でした。登場人物のファッションや部屋の雰囲気なども綿密に計算されてて独特の世界。このあたり全て、監督が敢えて意図した演出なんだそうです(←後からパンフ読んで確認)。そうだ、そういえば、ナレーションやってたのアレック・ボールドウィンなんだって!(これも後から確認して知った) やっぱり何気に豪華じゃーん。


あともうひとつ、個人的に印象深かったこと。“早熟の天才児たちが大人になって抱えている懊悩”というモチーフに、あーこれはひょっとして…、などと考えていたらやっぱり! 脚本も手がけたアンダーソン監督はJ.D.サリンジャーの小説に影響を受けてるそうです(厳密に言うと彼をはじめとするニューヨーク文学に、ということですが)。帰り際にパンフレットを買おうとしたら新潮文庫の「フラニーとゾーイー」も一緒に売られてて、嬉しいような意外なような不思議な気分になったのでした。
(*この映画とサリンジャー作品の関係についてご興味ある方、HOMEの日記でもう少し詳しく紹介してますのでよろしければそちらもどうぞー)



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ザ・ロイヤル・テネンバウムズ 【THE ROYAL TENENBAUMS】 

2001年 アメリカ / 日本公開 2002年
監督:ウェス・アンダーソン
出演:ジーン・ハックマン、アンジェリカ・ヒューストン、ベン・スティラー
グウィネス・パルトロウ、オーウェン・ウィルソン、ルーク・ウィルソン
(劇場鑑賞)





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全くの余談ですが、ジョディ・フォスターが初監督した「リトルマン・テイト」('91)も「フラニーとゾーイー」を下敷きにした作品だと公開時に聞いたような気がするんですが…、今となっては裏付けがとれないんですよー(涙)。なぜソースを明らかにしておかなかったんだ当時の私。それとも妄想(or捏造)だろうか…。もしも何かご存知の方いらしたら是非教えて下さい!

→解決しました。きょうこさん情報ありがとうございました!(2002年9月追記)
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