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これはアレですね、いかにもクローネンバーグさんが好きそうなネタですね。脊髄に直接ケーブル繋げるバーチャルリアリティ(おお懐かしいなこの言葉)ゲームのお話。身体(しかも自分じゃ見えないところ)にそれ専用の穴開けて、プレイするたびにグロテスクなケーブルを差し込む(しかも潤滑剤とかつけて)という卑猥っぷりは、これぞまさしくクローネンバーグでしょう! いや、誉めてます!
うーん、しかしながら、映画としてはいまひとつ引き込まれるものがなかったというか。ゲームの世界(という言い方は厳密には語弊があるかもしれないけど便宜上)がもう少し魅力的だと良かったと思うんだけどなあ。何となくグロい描写だけで押し切られた観があります。 余談ですが、これ見て岡嶋二人の傑作小説「クラインの壷」を連想したのって私だけ? 似てるよね? もちろん切り口は違うけど、描きたい世界は同じだと思います。でも小説の方が全然面白い。今となっては古い作品ですが初めて読んだときは衝撃的だったなあ。
じゃあこの映画を楽しめなかったかというとそうではなくて、だって私の目当てはジュード・ロウだもん。ジュード! Heyジュード! この前の「クロコダイルの涙」以来、僕はすっかりキミに夢中さ。(誰だオマエ) 主演っつーことで終始出ずっぱりなのでとりあえず満足でした。いつもの美貌もさることながら、今回ちょっと弱気な感じがカワイイなあ。くす。バイオポートあけるってだけでそんなにビビっちゃって、ああんもう、何なら私がやってあげるってー。大丈夫、痛くしないから。ね?(だから誰なんだオマエは…)
ジェニファー・J・リーも上手かったですね。最初のうちは何だこの人?とか思って見てたのですが、ラストでオチがついて非常に適切な演技だったことがわかりました。 それと、相変わらずの存在感で異彩を放っておきながら最後に自分の出番が少ないと宣うデフォー氏にはわたくし失笑を禁じ得ませんでした。しかもその後微妙に恥じらうし!(笑) なんて素敵なんだ! 最高! やはりただ者ではないよこの御方。
さて次は何のジュード・ロウ見ようかなー。オスカーワイルドにしよっかなー。リプリーかなー。こういう、気に入った俳優さんの、見てない作品がまだたくさんある状態、というのは個人的に非常に楽しいです。
****** イグジステンズ 【eXistenZ】
1999年カナダ・イギリス / 日本公開:2000年 監督:デヴィッド・クローネンバーグ 出演:ジュード・ロウ、ジェニファー・ジェイソン・リー イアン・ホルム、ウィレム・デフォー (ビデオ鑑賞)
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