兎に角日記
三日に一度は兎に角と書いてしまう。

2004年07月10日(土) 天体観測と狸像

自治会からか、市からかは分かりませんが、市民広報ってのが各家庭に配布されてきますわね。
あれの中の「催し物」を見て、面白そうであれば参加するのが結構好き。
今までに体験したのは、太極拳とか、蕎麦打ちとか、マラソン大会とか(これは後から後悔した。面白かったが大変だったから)。

今回はそんなわけで、天体観測。
定期的に行われているらしい、隣の市の子供科学館での催し物で、係員の人が、申し込みしたグループ一つ一つについて、そのとき見える星について説明してくれるらしい。

別に天体観測の趣味があるわけでもないし、星座などオリオンとかカシオペアとか、そういうメジャーなものしか分からない。
でも、こうして実家のほうへ戻ってきて、こういう付き合いにも一緒に行ってくれる友人が傍に居るようになったので、ぜひ参加してにわか星座ファンになろうじゃないかという話になった。

しかし、当日である今日。
大雨。土砂降り。
夕方近くに降り始めたので、もしかしたら一気に晴れてくれるかと思ったのにダメだった。
残念だった、なぁ。

「暇になっちったねぇ」
「時間が半端だなぁ」
「……アレ行くか? 分福茶釜」

分福茶釜とは。
昔々、茂林寺(もりんじ)の和尚さんがどこぞで狸を助け、恩を感じた狸が和尚さんのところで茶釜に化ける話。
いくらお湯を汲んでもお湯の尽きない茶釜と言うことで有名になるんだけども、確か毎回毎回火に掛けられて死にそうな目になりながらも、和尚さんのために我慢していた気がする。
(確かな話ではない)
何で読んだか忘れたが、挿絵にはその狸が亀の甲羅のように茶釜を背負っていて、茶釜から両手足と頭と尻尾が出る姿になっているんだけれど、その格好で和傘をさして、更に綱渡りの芸当をこなしていた。

……いったいどういう話だったんだろうか。


まぁ兎に角、実家からさほど遠くない場所にその茂林寺はあった。が、近すぎる名所というのにはなかなか足を運ぶ機会が無いもので、今までずっと気にはなっていたものの、行くことが無かった。
せっかくなので、今日これから行ってみようということになったのだが。

なんせ、本来の目的は天体観測だったんだから、もうすでに辺りは薄暗い。
そして茂林寺にも、人気もなければ土産物屋も一店も開いちゃ居なかった。
そして土産物屋の犬にほえられながらお堂に向かうとそこには!!

門をくぐった瞬間に怯んだね。
暗闇で一瞬は分からなかったが、ふと気づけば両脇に身長2メートル近いリアル狸の像がズラーっと並んでいたよ。

リアルな狸の置物は、歯が、こう、カーっとむき出しになっていて怖い。
目もうつろで怖い。

肝試し風になっていいんじゃないか? なんて言ってた人たちはどこへやら、そこから一目散に逃げていた。



後、調べてみたところ、茂林寺の狸は、昼間見ても塗装がハゲていてすごいことになっているらしい。
しかし、半分閉まったみやげ物屋の奥には、分福茶釜ストラップとか、分福茶釜ぬいぐるみなどが売られていたようなので、後でまた行ってみる事にする。





そのような事をしているうちに、夕食の時間になり、夜もふけて、午前二時ごろ。
帰り道の車の中から、星空が見えた。
どうやら、すっかり晴れたようだった。

真っ暗な畑の細い道まで車を入れて、皆で降りた。
ライトを消して、目を上げれば。
天の川だ。


実を言うと、生まれて初めて天の川を見た。
今までも何度も探したが、あれだと思えるようには見えなかったので。
そうか、こんな風なのかと知った。
雨の後で、きっと空気が澄んでいたんだなぁ。

月も明るかったけれど、それでも十分見ることができ。
今度はもっともっとはっきり見ることができる場所で見てみたいなと、思った。


では、また明日。







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