勤務中であるはずの相方から昼頃電話があった。 日曜だからヒマとはいえ、休憩でもなさそうな時間に 向こうから電話があることなど滅多にない。
聞けば品出しの時に人手が足りず、急いで荷物を出していたら 右手親指の第一関節付近をカッターで切ってしまい (相方は左利きなので右手を切った) ガーゼで押さえたものの血がボタボタとなかなか止まらないため タクシーで救急病院に行き、3針縫ってもらってきたとのこと。
特に私がそこでできることは何もないのだが 向こうにしてみれば『一応、報告しておこうと思って』ということらしい。 よってその後は職場に戻り、いつも通りの時間に帰ってきた。
『(縫合時の)麻酔の方がよっぽど痛かった』というくらいで 本人は案外“切った痛み”は少なかった様子。 しかし聞いているこちらはたまったものではなく
「カッターが爪で止まったのが分かったんだよね」
と聞いた時には、半年分の鳥肌が立ったかとさえ思った。
ただ面白かったのはその道中。
先述の通りタクシーで向かったのはいいが、運転手さんが 新人さんらしく病院をご存知なかったらしい。 慌ててナビを設定するも、あたふたする運転手さんに 『最初に“駿河台”って入れて!』と後ろから覗き込む、血がダラダラの親指を握った男。
(最初その運転手さんはナビを“日大”だけで検索したようで 当然検索結果は山のように出てくる。それであたふたされたらしいのだが 実際は相方が乗った場所から病院へは直線距離で1kmあるかないか)
結局それで2〜3分、車の中ですったもんだしていたそうな。
その画を想像したら(本人も出血はあれど痛みは殆どなかったということもあり) 先ほどの鳥肌はどこへやら、つい笑ってしまった。
もっとも直後に傷口を見て、再び鳥肌を立てたのだけれど。
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