離煙パイプというものがある。 31本あるパイプはそれぞれ3%ずつ ニコチンとタールが減らせる仕組みになっていて、1日ずつパイプ1本を使い 31本目にはタバコに何もつけない状態の5%まで落とすことができる。 そうやって徐々に体を“タバコのいらない状態”へシフトしていき 最終的にタバコをやめる方向に持っていく。
なぜ3%なのかといえば、“いつもと同じタバコだ”と 脳をごまかせる限界が3%なのだそうである。 但し、途中でパイプをつけないタバコ(拙宅では“生タバコ”と呼ぶ)を 吸ってしまったら、それがどれほど軽かろうが、またイチからやり直し。
先々月末、勤務先にたまたまそれが一箱 サンプルとして入ってきたのを、許可を得てもらってきた相方。 サンプルとして配るより、使った経験者がいた方が 売る側としては色々と説得力もあって都合がいいから、会社もすんなりOKした。 (お蔭で“失敗しました”とはいかなくなったわけで)
ちなみに相方が20年以上愛煙しているのはセブンスターで これの場合、5%まで落としてもニコチンは0.06mg。 ニコチン依存をなくすためには、ここから一番軽いタバコに切り替え 0.005mgまで落とすことが必要らしい。
31本目までは、結構順調に進んでいき 朝咳き込むことや、何度も痰を吐き出すこともなくなった。 その後軽いタバコにしたら『まずい』と言っていて 気づいたら、煙草盆にあった相方の灰皿も消えていた。
ところが、完全にタバコをやめた5日後の昨夜のこと。 食欲はないわ眠れないわで、ここ3〜4日調子がおかしかったという。 私も確かに少々様子がおかしかったのは気づいていた。 おそらくタバコをやめたことによる離脱症状だと思うのだが 珍しく自分で離煙を言い出した手前、私にも言い出しづらく 同僚にも(サンプルをもらってきたわけなので)相談できなかったらしい。
かなり思いつめた様子だったので、逆に軽く流すことにした。 『生タバコを吸ったわけでもないんだから、31番のパイプつけて また吸えばいいじゃない。これで自分の離脱症状がどんなのだか 分かったんだし、それに31番まで落とせたこと自体がすごいと思うよ。』
そう言ったら『気が楽になった』と、立て続けに4本(パイプをつけて)吸い ものすごくほっとした表情になった。
私の取った行動は、間違いだったかもしれない。
・・・だけど、ね。(苦笑)
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