一日後記

2004年06月29日(火) 攻撃は最大の……。

仕事から帰ってくると、ワゴンの上に階下からのいただきもの。
慌ててお礼を言うために階段を下りてみると、
和室の襖が開いていて、中からは義父母の声がする。
『あの〜…』と言おうとして、一瞬声を呑んでしまった。

4cmほどのゴキブリがこちらに向かって走ってくる。義母は気付かない。

『お義母さん、ゴキブリ…!』と言いながら、殺虫剤を探そうとしても
勝手が分からない階下じゃ右往左往するのが精一杯だ。
すぐ傍に義父のスリッパが目に入ったが、これで叩くのも気がひける。
そうこうしているうちに義母が、『どこ?』と襖の辺りを覗き込んで


…いきなりだん!!と踏みつけた。
(ちなみにその時の義母の足元は綿靴下一枚。)

私、硬直。目は義母の足元から離れない。

『見つけたら、すぐやらなきゃダメなのよー。』と笑いながら
踏んだ右足の靴下を脱ぐ。後には伸びたものが一匹。
チラシ一枚でゴキブリを掴もうとすると、
まだ完全に逝去なされておらず再びカサコソ動き始めた。
しかし義母もさるもの、慌てず騒がず掴み取って丸め、
『まだ死んでなかったみたいだけど、これで大丈夫でしょ。』と


両手でむぎゅうとプレスする。

絶対に圧死しているであろう力の入れ方で。

ええと、私何しに来たんだっけ…そうそう、お礼言わなきゃ。
何とかお礼を言って居間に戻っても、先程の光景が焼き付いている。
驚いたまま相方にそのことを話していたら、彼はあまり驚かない。

『だってさ、ゴキブリは噛むとか引っかくとかしないだろ?』
……そりゃそうだけど、やっぱり気持ち悪いよ。

『俺、子供の頃さぁ、よくゴキブリに
 洗剤かけて火ィつけたんだよね。
 ねずみ花火みたいに、くるくる回るんだ。


うげげげげ。


そういえば中学の担任に青森出身の先生がいらして、東京に来るまで
ゴキブリを見たことがなかったのだそうだ。
上京後初めてゴキブリを自分の住まいで見つけた時、
珍しいからと暫く飼育していたという話を聞いたことがある。

踏みつけるのも、火をつけるのも、勿論飼育なんてもってのほかだ。

 


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