Experiences in UK
DiaryINDEX|past|will
2005年06月13日(月) |
第96週 2005.6.6-13 ハロッズと日の丸、ライオンズの遠征始まる |
(ハロッズと日の丸) ハロッズといえば、押しも押されもせぬ英国デパートの最高峰です。ロンドンでもっともお洒落な地域の一つであるナイツブリッジの中心に位置し、他を圧する店構えはこの地域のシンボルとなっており、つねに多くの観光客が記念撮影している場面に遭遇します。 実のところ、何をもって最高峰といい、なぜハロッズがそうなのかは必ずしもよく分かりませんが、「英国で最も権威のあるデパートはどこか?」と問われた場合、99%の英国人が「ハロッズ」と答えるでしょう。そういうことになっているのです。そして、きっとハロッズ自身もそう考えているでしょう。 英国屈指のデパートではありながら、現在のオーナーはエジプト人のアルファイド氏であり、その息子とダイアナ元妃がデート中に自動車事故で亡くなったことは、よく知られた事実です。
通りに面したハロッズの正面には、常時、何本かの大きな国旗が掲げられています。通常、一番端に英国のユニオン・ジャックが翻っており、イングランド、スコットランドなどの旗に混じって真ん中当たりに米国、日本の国旗が配置されています。観光名所でもあるハロッズにとって、アメリカ人や日本人にサービスをするのは当然なのでしょう。
そのハロッズの筋向かいの区域一体で、現在、大規模な建てかえ工事が行われています。もとあったビルがすべてとり壊され、フェンスで覆われた敷地内には、何台もの工事車両が入れられています。新しいショッピング・モールらしきものがつくられているのでしょうか。 道路に面したフェンスに工事後の近隣の完成予想図が描かれているのですが、その絵の中のハロッズには三つだけ国旗が描き込まれています。一番手前がユニオン・ジャックで、真ん中には日の丸、奥の小さな旗はカナダのようでした。 ユニオン・ジャックは分かるとして、それ以外になぜ日本とカナダの国旗が選ばれたのか(とりわけ一番目立つ位置に描かれた日の丸)、少し気になるところです。カナダは英連邦の代表として登場しているのでしょうか。日本が加わっているのは、地域のバランスを取ったのかもしれませんし、建てかえ工事に日本資本が絡んでいるのかもしれません。答えは不明ですが、ハロッズ前を通るたびに気になります。 ちなみに、工事現場のフェンスには、新しく建てられる物件を管理する不動産会社の大きな看板も掛かっているのですが、会社の名前はDubai Propertiesというそうです。またアラブ系資本らしき名前です。
(ライオンズの遠征始まる) 2005年版ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズのNZ遠征が、今月初めから始まっています。ケガに泣き続けて、当初はメンバーからはずされていたジョニー・ウィルキンソンも、遠征出発間際にメンバーに名を連ねることが出来ました。 ライオンズとは、ラグビーにおけるウェールズ、アイルランド、イングランド、スコットランドの混成代表チームの通称で(2月14日、参照)、伝統的にラグビー競技が盛んな南半球に遠征して、強豪チームとしのぎを削る目的で数年に一度結成されるスペシャル・チームです。遠征は、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ共和国のいずれかの国向けに行われ(今年はニュージーランド)、各地のクラブチームや地域代表、国代表などとの試合が組まれます。
南半球に遠征する英国・アイルランドの混成代表チームの起源については、諸説あるようです。ガーディアン紙は1891年をライオンズの始まりとしており、タイムズ紙は1888年のチームをライオンズの起源としていました。 また、混成代表チームに対してライオンズの通称が用いられるようになったのは、1924年の南アフリカ遠征時以来のことだそうです。メンバーが着用していたそろいのネクタイにライオンが描かれていたことから、プレス関係者がそのように名づけたとタイムズ紙(6月4日付)の週末別冊特集号に記載されていました。
(ライオンズの戦績) 1989年以降のライオンズは、正確に4年毎に結成されていますが、それ以前は不定期にチームが組成されていました。また、過去には1年間に2度の南半球遠征をすることもあったようです。 ガーディアン紙(6月4日付)が、過去のライオンズの戦績に関するデータをまとめて紹介していました。同紙によると、これまで遠征はのべ30回にのぼり、各地での戦績は(1回の遠征につき3〜4ゲーム組まれる国代表チームとのテストマッチに勝ち越した場合、その遠征においてライオンズが勝ったとみなす)、対南アフリカ共和国が4勝7敗1分け、対オーストラリアが6勝2敗、対ニュージーランドが1勝9敗となっていました。 ラグビー競技においては、通常ホーム/アウェイというのは勝負に大きく左右する要因となるので、ライオンズの南半球遠征は厳しい条件での闘いということにはなりますが、それにしてもニュージーランドに対しては圧倒的に分が悪いという結果になっています。
前回2001年はオーストラリアに遠征し、同代表とのテストマッチは1勝2敗と負け越しています。今回のライオンズは、強豪のなかの強豪ニュージーランド・オールブラックスに対して二度目の勝ち越しを収めることが出来るでしょうか。 ニュージーランド代表とのテストマッチは、6月25日(クライストチャーチ)、7月2日(ウェリントン)、同9日(オークランド)の三試合が予定されています。
|