Experiences in UK
DiaryINDEXpastwill


2004年01月05日(月) 第21週 2003.12.29-2004.1.5 購買力平価、トゥイッケナム・スタジアム

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

(ウォークマンで測った購買力平価)
25日のクリスマスと翌26日のBoxing Day(かつて使用人などにクリスマスの贈り物をしたとされる日で休日)が明けたロンドンの街は、クリスマス期間の静けさが嘘のように再び喧噪を取り戻します。年末年始の数週間、ロンドンのすべての店で大バーゲン・セールが行われるのです。
買い物に興味がない私は他人事ですが、この時期、国籍を問わずロンドン在住の多くの人々がバーゲン情報の入手に奔走し、買い物三昧の日々を送るようです。そういう私も家族の買い物に付き合いがてら、かねてから欲しかったソニーのCDウォークマンを購入しました。
ソニーという企業が国際色豊かな企業であることは、もちろん日本にいた時から知っていましたが、Sony Centreと銘うたれたソニー専門店がロンドンの市内各地にあるのを見るにつけ、そのことが実感されます。Sony Centreはパットニーのハイストリートにもあるのですが、今回は買い物に出かけた隣町のキングストンで最大のデパート、Bentallsの中にあるSony Centreへ行きました。

私が購入したCDウォークマンはごくシンプルな機能のもので、ウォークマン・ラインナップの中のロウアー・ミドル・クラスに位置づけられる機種でした。購入目的が英語のCDを聞くことだったので、何でもよかったのです。定価£79の商品が£69で売られていました(あまり安くなっていなかったですね)。
さて、私にとっての興味は、同じ商品を日本で買うといくらになるのかという点でした。帰宅後、同クラスの商品の秋葉原での店頭販売価格をインターネットで調べたところ、どうやら7千円程度のようでした(私が購入したものと同じ型番の商品は日本では販売されていないため、スペックが似た機種で比較)。ということは、ソニーのCDウォークマンで測った購買力平価は、1ポンド=約100円ということになります(¥7,000/£70)。
現在の市場レートが1ポンド=190円台ですから、極論して言うとロンドンのウォークマンが日本の1.9倍程度の割高であるか、あるいは市場の為替レートが1.9倍程度の円安ポンド高に振れ過ぎているかのどちらかということになります。以前のメールでも書いたように、大方の商品で測った購買力平価が1ポンド=80〜150円程度となっていますので、やはりまずは為替レートが円安ポンド高に振れすぎていて、かつウォークマンの場合は若干ロンドンの方が割高という仮説が妥当でしょう。
いずれにしろ、円貨で給与を支給されている我々にとって、ロンドンでの生活はなかなか大変なのです。

(トゥイッケナム・スタジアム)
週末にイギリスにおけるラグピーの「聖地」であるトゥイッケナムのラグビー・スタジアムに出かけました。イングランドでのラグビーの大きな試合はすべてここで行われ、収容人員7万5千人の大スタジアムです。先日、地図を見ていて意外と自宅から近いことに気づきました(車で20分)。
我々が訪れた日、試合はなかったのですが、目当てはラグビー・ショップと併設されているラグビー・ミュージアムでした。
ショップは、ラグビー関連グッズの品揃えが豊富で、見ているだけでも楽しめました。イングランドのみならず、宿敵オールブラックス(ニュージーランド代表)など他の国のラグビー・チームの関連グッズもあり、ジャパンのジャージを模したシャツまで置いていました。なかでもオールブラックス関連商品の量は圧倒的に多くて、その人気の高さをうかがわせました。我々の最大の目的であった、こども向けの小さくて柔らかいラ
グビー・ボール(まがいのおもちゃ)を見つけることもできました。
ミュージアムも、ラグビー発祥の地にふさわしい充実した内容でした。ゲートを通っていきなり現れるのが、ラインアウトのボールを取り合いしている等身大のラガーマンの蝋人形です。それに特に意味はないのですが、こういうものを精巧に再現して客を迎えようという発想と熱意から、ラグビー好きによるラグビー好きのためのミュージアムであることがうかがえます。
ラグビーの歴史・背景を丹念に解説する展示と、そこここで過去の名勝負のビデオ映像が流されている様子は、ウィンブルドンのテニス・ミュージアムにも共通したものがありました。テニス・ミュージアムと異なる点は、さらに「栄光の90年代イングランドチームの軌跡」といったようなコーナーが加わる点でしょうか。テニスはイギリス人だめですからね。今後は「頂点をきわめた00年代イングランドチーム」というコーナーが付け加わることでしょう。
先日のW杯の優勝杯であるウェッブ・エリス杯が早速展示されていて、格好の写真撮影スポットになっていました。

(トゥイッケナム・スタジアムのツアー)
さて、このミュージアム見学には「ツアー」というオプションが付いています。これは、解説のおじさんといっしょにスタジアム内を見て回るというものです。普段は関係者以外立ち入り禁止の場所なども見せてくれるということで、申し込んでみました。
「ツアー」には人数制限があり、我々のパーティは大人と子供を含めて約15人の集団でした。ガイドの役目を果たしてくれたのは、かつてラガーマンだったであろうと思わせる長身でがっちりした体躯の60才くらいの元気なおじいさんでした。彼に先導されながら、1時間半ほどの時間をかけてスタジアム内をほぼくまなく回るのですが、これは申し込んで大正解でした。
最上階(6階)にあるスタンド最上段からスタートして、途中、ロイヤルボックスの中や選手などメンバー限定のバーなどを回りながら下りていきます。地上階ではイングランドの選手のドレッシングルーム(ロッカールーム)の中まで案内してもらえました。最後は、選手が入場する通路からグラウンド内に入り、ピッチサイドを半周して終わりです。
英語のリスニング力不足により解説を十分に理解することはできませんでしたが、同じパーティのおじさん・おばさん・こどもたち(すべて白人のイギリス人)のわくわくしている様子を見ているだけでも楽しいものがありました。
「ツアー」オプション付きのミュージアム入場料は、ひとり£7.5でした(息子も同じ料金を徴収されましたが、彼は「ツアー」中はバギーの中でずっと寝ていました・・・)。
結局この日は、ランチを挟んでほぼ1日トゥイッケナム・スタジアムにいました。


DiaryINDEXpastwill

tmkr |MAIL