Experiences in UK
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2003年12月01日(月) 第15-16週 2003.11.17-12.1 フランス小旅行、ロンドンとパリ

(パットニー・ヒースの朝)
28日金曜のロンドンは、この冬一番の冷え込みでした。朝9時でも気温は5度だったらしいです。
このところのロンドンは、朝7時でもまだ真っ暗です(ちなみに、夕方は4時台に真っ暗になります)。私は、ようやく明るくなり始めた7時30分から8時の間くらいに家を出ます。家から歩いて30秒くらいの場所に、パットニー・ヒースの片隅に位置するバス停(バスの溜まり場)があり、ここからバスに乗り込みます。パットニー・ヒースというのは、芝生が延々と広がる原野で、そこにちょっとした林程度に木が植わっています。
金曜朝のパットニー・ヒースは、ちょっと幻想的でした。芝生に霜が降りて一面真っ白に輝いており、地面から腰の高さくらいまで乳白色の霧が立ちこめていました。朝の弱い日差しの中でそれが見はるかすかぎり続いており、白い霧が立ちこめた原野の中を通る小さな人影は、雲海の仙人のように思えます。また、上空に目を転じると、ヒースロー空港に着陸しようとする飛行機がかなり低空まで下降してきていて、BA(ブリティッシュ・エアウェーズ)の赤と青のマークが朝日を受けて輝いています。
季節に応じて情景ががらがら変わるパットニー・ヒースの朝は、四季を表現した舞台セットをみているようで、1日の始まりを楽しい気分にさせてくれます。

さて、冷え込みのきつい日のロマンチックな話はここまでで、ロンドンの現実は甘いものではありません。こんな寒い日に限ってバスのヒーターが、故障か何か知りませんが、作動しておらず、バスの中でも吐く息が白いという状況でした。コートの襟をあわせながら芯から冷える状態のまま1時間バスに揺られるというのは、やはり公共サービスを受ける身としては何か理不尽なものを感じざるをえませんでした。

(フランス小旅行)
先週(19〜23日)、英国に来て初めての海外旅行でフランスを訪ねました。
4泊5日のうち真ん中の2泊はユーロ・ディズニーで、その前後1泊ずつがパリ市内です。ロンドンからの往復(ウォータールー〜パリ)はユーロ・スターを使いました。
フランス滞在中は一度も雨に降られることなく、ほぼ予定通りに観光を満喫することができました。子供連れでスーツケースを引きずりながら非英語圏を旅行するのは骨が折れましたが、パリの街に精通した知人の親切かつ効率的な案内により、充実した旅行になったと思っています(ありがとうございました!)。
ユーロ・ディズニーも、前評判で聞いていたほどしけたものでもありませんでした。息子も大喜びで丸1日楽しんでおりました。季節はずれのウィークデーだからということもあったのでしょうが、人の入りはイマイチでしたけど(それでも、最近はかなり盛り返しているらしいですが)。

そんなわけで、22日のラグビーW杯決勝戦は、家族の許可を得たうえでユーロ・ディズニーのホテルでの観戦となりました。イングランドのラグビー(のスタイル)に対する評価は分かれるところでしょうが、歴史に残るような決勝戦になったことは間違いなく、個人的にはイングランドが悲願の優勝を果たすことができてよかったと思っています。
フランスはセミ・ファイナルで敗退しましたが、W杯のテレビ中継は熱が入ったものでした。しかし、イギリスとは番組の作りや実況の雰囲気がかなり違っているように感じられたのが面白いものでした。イギリスのラグビー中継は、試合前に引退した名プレーヤーと評論家らしき人たちが真面目な戦略論を戦わし、かなり重々しいムードで始まります。対してフランスの中継は、(何者か知りませんが)タレントまがいの人がおどけた様子で番組を盛り上げていて、実況の感じも何となく軽いような気がしました。こんな所にもお国柄の違いが現れているのかな、と感じました。

(ロンドンとパリ)
日曜の夕方に英国ウォータールー駅に戻ると、ロンドンは雨が降っていて冷え冷えとしていました。
家路を急ぐ途中に妻が漏らした一言は、そのような天候とも相俟ってたいへん説得力を持って聞こえました。曰く「食べ物がおいしくて、町並みがきれいで、立派な歴史的建造物もあちこちにあるパリと比べたとき、ロンドンの観光都市としての魅力っていったい何なのかな?」確かにそのように考えると、時間に限りのある観光客が、訪問先としてパリではなくてロンドンを選ぶメリットはあまりないような気もしてきます。でも、その伝で言うならば、京都や奈良の方が観光地としてずっと優れていると個人的には思わなくもありませんが。
一つだけ、今回の旅行を通じてパリではなくてロンドンに軍配を上げたくなったのはタクシーです。
車両の快適度合い、ドライバーの態度・運転技術、いずれを取ってもロンドンのタクシーは素晴らしいと改めて思いました。パリは、タクシーに限らず車の運転が乱暴な印象を受けました。大きな道ではひっきりなしに激しくクラクションが鳴っていて(ちなみに、パリほどではありませんが、イギリスでも意外とクラクションが多く鳴る印象はあります)、ドライバー同士が交差点で喧嘩している様子を目撃しましたし、ダイアナ妃の死亡事故が発生した現場近くの道で信号待ちをしていた時、ちょうど我々の目の前で追突事故が発生しました。
フランスの車は右側通行の左ハンドルでもありますので、この国で車を運転するのはちょっと気が引ける思いがしました。


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