海に降る雪...marin-snow

 

 

欲しかったもの - 2002年02月01日(金)

残酷な殺人事件の犯人や、死刑囚の人の手記を読んでいて、
その人たちと私の何処が違うのか、よく解らない。

私も一つ歯車が狂っていたら、同じことをしているのではないかと、思えてしまって。

ただ運が良くて、今まで来ているだけのように思えて。

私の中にも、そのくらいのことを、平気でできるような人格がいるような気がして。



物心つく前から、本能的に、
そういう人格を出しては人社会ではやっていけないと思ったのか、
私は自分を封印したらしい。

どんなものなのか解らないけれど、
私が受け入れなさそうだと判断したものたちを全部。


そしたら、自分なんてなくなっていた。
大人に気に入られる「よい子」ができていた。


レールの上を上手に走ったおかげでか、今、社会的に安定した状態にいる。



それでも私は欲しかった。

どんな私でも受け入れてくれる何かが。



私にとって無償の愛なんてものはない。

私に利用価値があるから、私が相手の望み通りのことをするから愛される。
条件付きの愛しか解らない。

利用価値のなくなった私に存在価値はない。



それでも、やっぱり、欲しかったのよ。

残酷で、黒くて、恐くて、穢れた自分も含めて、無条件に愛してくれる何かが。

そんな私でもいいと言ってくれる誰かが。
そのままの私で存在してもいいと言ってくれる誰かが。



自分自身でさえ、自分を受け入れられないのだ。
まして他人に受け入れられるわけがないだろう。


一瞬でも、この人になら、
解ってもらえるかも知れないなんて、
受け入れてもらえるかも知れないなんて
思ったお前が馬鹿なんだよ。





一生手にはいることのない、本当に私が、欲しかったもの。






   カナワナイ ノゾミナラ キエテシマエ


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