海に降る雪...marin-snow

 

 

『代理彼氏』 - 2002年01月26日(土)

そもそも、彼と知り合ったのも、ネット上のこと。

いろいろな偶然が重なって、思いがけず、心を出してしまった。
毎日のようにメッセで話して、電話までするようになっていた。

彼には、メッセ友達もチャット友達リアルの友達も山ほどいたようだったが、
私のメッセの登録者は、彼一人だけだったんだ。
リアルの友達も仕事やお金を介さない関係は、今の私にはほとんどない。

PC開ける習慣もなかった私が、
家にいる間はPC起動して、メッセにつないでいるのは、
私の在宅生存通知と彼の存在確認のためとなっていた。

もっとも、私の生存通知は、彼も知っている方の日記の更新で、分かることでもあったけれど。


私より、随分年下で、住むところも、環境も全然違う。
ネット上の文章とチャットと電話で交わした言葉の内容だけしか知らない相手。
会ったことなど、もちろんない。

日記を止めて、HN変えて、アドレスを変えて、電話番号を変えれば、
すぐに消えてしまうことができる。
彼にしても、同じこと。


ネット上では明るく陽気な印象を強調していた彼。
いろいろな偶然が重なって、私は彼の弱い面に立ち会ってしまった。

私はもともと、もう一つの日記にしても、
完全に毒吐き日記で、弱い面を出すのにネットを使っていたけれど。

電話で「会いたい」とか、終いには結婚に関する話までしていたのは彼の方。

私が結婚の話をするのならまだ分かるが。
私の方はそういう、年代をとうに過ぎているから。
でも、彼の年代でそういうことを言うこと自体が意外だった。

年齢差、環境、様々考えた時、私の口から「会いたい」とは、決して言えない言葉だった。

旅先で出会った相手と同じように、
自分のことを全く知らない相手と、思いがけず、深い話をして、心の内をさらしてしまった。

その関係だけで終わることが、いいだろう。
そうすることしか出来ないだろう、と思っていた。

だけど、私の感情は、勝手に恋愛感情に変わっていく。

仕事の機械的な付き合い以外、
全くと言っていいほど付き合いができなくなっている私にしてみれば、
唯一、お金の関係なしで話をしていた相手なんだから。

それが幻のような、ネット上の相手であったとしても。


年末休み、いざ、私が「それじゃ、会いに行くわ」と言った時、焦っていたのは彼だった。


私は生理的な部分で人の好き嫌いが出てしまうことがあるから、
どんなにいい人と思っても、恋愛となると、会ってみないと解らないから。

中途半端に恋愛感情が膨らんでしまう前に、白黒はっきり付けたかった。
相手が私のことにそういう感情を持っているのであれば、尚更そう思った。

自分の生理的な部分がどう反応するかを試したかった。
彼が本気かどうかなのかもね。


結局、彼とは会わなかった。


まあ、今の彼の状況だと、春からどうなっているかも分からないだろうから、それも当然だと思うが。

結論を出す時期は彼に任せることにした。


私は人も自分も信じていない。
感情なんて変わっていくものだ。

お互いに、感情が変わっていって、他に好きな人ができたなら、それはそれでいいと、私は言った。


そういいながら、私の方は、ここまで動いてしまった感情は、
滅多なことでは、動かないことも解っているんだけれどね。

彼がどうかまでは、知らないけれど。


年も年だし、結婚したい気持ちがあるのなら、こんな無駄な期間は持つべきじゃないこともよく分かっている。

かといって、半引きこもりの状態の私が、人と出会うこともないと思うので、結局同じことだろうけれど。

仮に出会ったとしても、いったん、こういう感情ができてしまっている時は、
私には新しい恋愛感情はできないようだったし。
はっきり、失恋してからでさえ、何年も引きずるようなところがあったから。

あくまでも現時点のことで、先のことは解らないけど。



その彼が、先日「代理彼氏をしている」と言った。
「私にだけは伝えておかないといけないと思って・・・」言ったそうだ。

相手の彼女のこともネット上でしか知らないそうだ。
彼女が振られたばかりでとても不安定だったので、
2月にある何かの国家試験が終わるまでという条件で、
『代理彼氏』とやらをしているのだそうだ。
その試験が終わったら、『代理彼氏』とやらも、終わりだそうで。


特に恋愛関係になると年齢並の発達は全くしていない私だが、それでもただ年だけ取った訳じゃない。


始めは代理でも、そういう感情というのは、すぐに動くこともあるものだ。

そして、私と彼にしても、ネットに電話がくっついただけの関係だ。

困っている人を見ると、自分のことよりそっちが気になって、ほっておけない人らしいとは、解る。

ネット上だけでだが。

だけど『代理彼氏』をするという感覚は、私には理解できないことだ。


しかも、なぜ「私には伝えておかないといけない」と思うわけ?
そう思うなら、なぜ、引き受けるわけ?


その言葉から、思いっきり、鬱に陥りました。


そもそも、感情麻痺していたものが、動き出したのは、彼と話をするようになったことが大きいと思う。

そのために落ち込みもすれば、不安定にもなるし、
半年以上続いていた禁酒も、すっかり挫折して、毎晩飲んでますけど。
もれなく、処方されている安定剤睡眠薬付きで。


彼が誰を好きになろうと、元気で幸せでいてくれたらいい。
取りあえず、生きていてくれればいい。

そう思える相手を好きになろうと思っているし、そう思えるくらいでなきゃ、好きになれない。

彼が誰かを好きになるなら、それはそれでいいと思っている。
私の感情を変えればいいだけのことだから。


以前は自分の弱いところを出さないようにしていた彼。
あの時、彼に辛いことが起きた時、偶然、私がネットを通して居合わせてしまっただけだった。

今では、弱い自分も外に出すことで、ネット上の人格との距離を縮めている。
私以外の人とでも、弱い部分を見せても話ができるようになっていくということだ。


そうなっていく彼に、私の存在価値はない。


私が人様にできることといえば、迷惑かけないことくらいだから。
私が一番迷惑をかけずに済む方法が、人と関わらないことだから。


後は私の彼に対する恋愛感情の部分を、殺してしまえばいいだけだ。
そして、ただのネット上の知りあいとしての関係だけを持てばいい。


ネット上の関係も切り捨ててもいいんだけどねえ。

あまりに深く関わってしまった部分もあるので、こちらは、もう少し、保留しておこうかと思う。


感情を殺せばいいと解っているのに、この年になっても、うまくできない私。

メッセも切っておけばいいのに。
いっそ、削除してしまえば、いいのに。


もう一つの日記は、彼も見ているので、さすがにこんな内容は、書けなくて。
鬱状態になっていることは、書いているが。

鬱状態の本当の理由は書けやしない。

それでも、どうしても、吐き出したかったらしい。

かといって、吐き出す相手も場所もないし。


この感情を吐き出してしまいたいためだけに、二つ目の日記を作ってしまいました。


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