-殻-
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君との甘い時間に、甘い夢を見る。
君が言わせたい言葉。 君が聞きたい言葉。 分かっているのに、僕はそれをうまくかわそうとしている。 僕らはもう知っている。 誰も過去を捨てることなどできず、 過去を忘れ切ることもできない。 いつまでも、いつまでも、 僕らは幸せだったはずのあの頃に縛られ続け、 互いの中に違う人の影を見つけながら、 気付かぬように貪りあうしかないのだ。 知っているなら、何故それを拒まねばならないのか。 何処かに、過去のない幸せがあるかも知れない、 などと思っているからか。 自分は過去を捨てる気などなく、 寧ろ背負ったままでいることを望んでいるのに。 君は今日も、未来を語る。 その未来は、君が決して来ないと信じていたもの。 なのに君は、今日もそれを語る。 甘い甘い、猫のような鳴き声で。 INDEX| PAST| NEXT | NEWEST |